
こんにちは。賃貸トラブル解決ナビ、宅地建物取引士の熊坂です。
賃貸のプロパンガスが高いと、毎月の請求書を見るたびに気が重くなりますよね。一人暮らしなのにガス代が1万円を超えたり、冬になって急に請求額が増えたりすると、使いすぎなのか、料金設定に問題があるのか迷うと思います。
最初にしたいのは、請求額を使用量・基本料金・従量単価・設備料金に分けて確かめることです。賃貸ではガス会社の変更に貸主側の調整が必要になることがありますが、今のガス会社への料金照会や、管理会社を通じた見直しの相談は進められます。
この記事では、相場との比べ方、2025年4月に施行された三部料金制、管理会社や大家さんへの交渉文例を整理します。値下げが難しい場合の節約方法と、次の部屋探しで同じ悩みを繰り返さないための確認点まで見ていきましょう。
- 請求書の内訳と地域相場を正しく比較する方法
- 三部料金制と新規・既存契約で異なる設備料金の扱い
- ガス会社・管理会社へ相談するときの伝え方と文例
- 交渉が難しい場合の相談窓口・節約・住み替えの判断
賃貸のプロパンガスが高い原因と料金確認
同じ「ガス代が高い」という悩みでも、使用量が増えた場合と、料金単価や設備費用が負担になっている場合では、確認先が変わります。まずは請求内容と契約条件を整理し、何を相談したいのかをはっきりさせましょう。
基本料金と従量料金の計算方法
LPガスは、販売事業者が料金を設定する自由料金です。同じ地域でも契約先や料金プランによって金額が変わるため、まず自分に適用されている料金表を確かめることが大切です。
プロパンガスの料金を確認するときは、口座から引き落とされた総額だけで判断せず、請求書、検針票兼請求書、Webの料金明細を開いてください。そこに使用量、基本料金、従量料金、設備料金がどう表示されているかを見ます。契約時に受け取った料金表もあれば、請求された計算と照らし合わせやすくなります。
| 確認する項目 | 主な内容 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 基本料金 | 供給設備や保安などの固定的な費用 | 使用量に関係なくかかる金額 |
| 従量料金 | 使用量に応じたガスの料金 | 使用量、1㎥当たりの単価、段階別の計算 |
| 設備料金 | 消費設備の貸与等に関する費用 | 何の設備か、負担の根拠、契約時期 |
例えば、すべて税込みで基本料金2,200円、従量単価770円、使用量10㎥、設備料金0円、ほかの調整や割引はないと仮定します。この場合の請求額は、2,200円+770円×10㎥=9,900円です。これは計算方法を説明するための仮定で、相場や推奨料金を示したものではありません。
請求総額を使用量で割った数字は、従量単価とは限りません。上の例で9,900円を10㎥で割ると990円ですが、基本料金が含まれています。従量単価は、ほかの費用がないこの条件なら、(9,900円-2,200円)÷10㎥=770円です。
実際には、使用量の区分によって単価が変わる段階制や、原料費調整、期間限定の割引がある料金プランもあります。設備料金や調整額があるのに基本料金だけを引くと、単価を正しく求められません。逆算は確認の手掛かりとし、最終的には料金表の計算式と照合してください。
税込みと税抜きの混在にも注意が必要です。請求書の総額は税込みでも、料金表の単価は税抜きという場合があります。単価が載っていなければ、ガス会社に「この使用量に適用した単価と計算式を教えてください」と聞くところから始めれば大丈夫です。
プロパンガスの相場を使用量別に比較
料金が高いかを見たいときは、同じ地域・同じ使用量・同じ税込み条件で比較します。一人暮らしの平均ガス代だけでは、入浴の頻度や設備の違いまでそろいません。料金設定の確認には、石油情報センターが公表する、使用量別の一般小売価格が参考になります。
以下は同センターの「一般小売価格 LP(プロパン)ガス 速報(毎月調査)」に掲載された、2026年9月30日付の値です。いずれも基本料金と消費税を含むため、表の金額へ基本料金をもう一度足さないでください。
| 地域 | 5㎥使用時 | 10㎥使用時 | 20㎥使用時 |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 7,094円 | 11,672円 | 20,256円 |
| 東北 | 6,471円 | 10,785円 | 18,945円 |
| 関東 | 5,616円 | 9,254円 | 16,273円 |
| 中部 | 5,948円 | 9,700円 | 16,863円 |
| 近畿 | 5,814円 | 9,439円 | 16,311円 |
| 中国 | 6,266円 | 10,210円 | 17,688円 |
| 四国 | 5,800円 | 9,439円 | 16,266円 |
| 九州・沖縄 | 5,955円 | 9,734円 | 16,730円 |
| 全国 | 5,984円 | 9,815円 | 17,081円 |
例えば、自宅の請求が10㎥で12,000円なら、全国の掲載値9,815円との差は2,185円です。ただし、この差額がそのまま返金額や値下げ可能額になるわけではありません。配送条件、地域、契約内容などに違いがあるため、差がある理由を質問するための材料にします。
使用量が13㎥だった月を、10㎥の表とそのまま比べるのも避けたいところです。ガス会社に「現在の料金表で10㎥使用した場合の税込み総額」を出してもらえば、条件をそろえられます。より地域を絞りたい場合は、同センターの偶数月調査による確報で、都道府県別の掲載値も確認できます。
比較サイトの「適正価格」は、その事業者や団体が設定した目標価格であることがあります。国が全国一律に定めた料金上限と混同せず、戸建て限定、特定地域限定、新規契約限定といった条件まで見てください。都市ガスとの比較でも、同じ1㎥で得られる熱量が異なるため、単価だけで何倍高いと結論づけないことが大切です。
冬や一人暮らしでガス代が高い理由
冬に請求額が上がった場合は、まず使用量そのものが増えたかを確認します。水温が低い時期は、同じ温度のお湯を作るにも多くの熱が必要になります。シャワーの時間が変わっていなくても、給湯に使うガスが増えることはあります。湯船につかる回数や追い焚き、ガス式の暖房・浴室乾燥機の使用も振り返ってみましょう。
一人暮らしだから安くなるはず、と感じるのも自然ですが、基本料金は一人分に比例して小さくなる費用ではありません。使用量が少ないほど総額のうち固定費が占める割合は大きくなります。家族世帯の1人当たりのガス代と比べると、自分だけ割高に見えることがあるのは、このためです。
確認するときは、前月だけでなく前年の同じ時期の明細も使うと、季節の影響を切り分けやすくなります。検針期間が何日あるか、長期不在がなかったか、同居人数や在宅時間が変わっていないかも一緒に見てください。期間が違う場合は、使用量を日数で割った1日当たりの量が補助的な目安になります。
使用量がほぼ同じなのに請求額が上がっているなら、基本料金や従量単価の改定、調整額、割引の終了を確認します。反対に、単価が変わらず使用量が増えているなら、入浴や暖房の使い方を点検する方が原因に近づけます。両方が変わっている場合には、単価と使用量を一つずつ分けて説明してもらいましょう。
値引きや支援額が記載されている明細では、その有無も比較条件に入れます。過去の請求が一時的に割り引かれていた場合、通常料金へ戻ったことが値上がりに見えるためです。割引後の総額だけをメモするより、内訳を含めた明細を保存しておく方が、後日の確認に役立ちます。
使い方が変わっていないのに使用量が急増したり、給湯器にエラーが出たりするときは、検針値や設備の状態をガス会社へ確認してください。ガス臭などの異常がある場合は、火気や電気スイッチの操作を避け、ガス会社の緊急連絡先へ連絡しましょう。安全確認が済むまでガスは使用しないでください。
三部料金制と設備料金の新ルール
ここで説明するのは、液石法に基づくLPガス販売契約です。同じLPガスでも、団地などでガス事業法に基づき供給される場合は適用制度が異なります。
2025年4月2日から、LPガス料金を請求するときは、基本料金・従量料金・設備料金に分けて通知するルールが施行されています。これが三部料金制です。資源エネルギー庁のQ&Aでは、施行後の新規契約だけでなく、それ以前から続く既存契約も表示の対象とされています。
設備料金が発生しない場合も、設備料金の項目を設けて「0円」や「該当なし」と示す必要があります。目的は、ガスそのものの料金と、設備に関する費用を見分けられるようにすることです。項目が3つになったからといって、新たな設備代の支払いが全員に発生するという意味ではありません。
ここで見たいのは、料金を請求するための明細です。適切な請求書が別にある場合、検針票にまで設備料金を記載することは求められていません。小さな検針票に項目がないだけで判断せず、郵送の請求書やWeb明細も含め、3つの内訳を確認できるか確かめてください。
あわせて、施行後の新規契約では、電気エアコンやWi-Fi機器など、LPガスの消費に関係のない設備費用をLPガス料金へ計上することが禁止されました。賃貸住宅では、貸主が本来負担する給湯器などのガス消費設備についても、原則としてガス料金へ上乗せできない規定があります。
内訳を表示する義務と、設備費用を計上できるかどうかは、別々に確認します。表示は新規・既存契約の両方が対象ですが、計上禁止には契約時期による経過措置があります。
また、すべての「設備」に関する費用が基本料金から消える制度ではありません。ボンベやガスメーターなどの供給設備、保安維持にかかる費用と、給湯器などの消費設備の費用は区別されます。「基本料金に設備維持費が入っている」という説明だけで、禁止された上乗せだと決めつけることはできません。
設備料金が請求されていれば、設備の名前、負担を決めた契約、計算方法を質問します。逆に設備料金が0円でも、従量料金が急に増えたなど不明点があれば、変更前後の料金表を出してもらいましょう。表示が整っていることと、金額の説明に納得できることは分けて考えると整理しやすいですね。
古い契約の設備料金は違法になる?
2025年4月2日より前に結んだLPガス販売契約については、設備費用の計上禁止に経過措置があります。したがって、以前から住んでいる部屋で設備料金が請求されているだけでは、直ちに違反だとは判断できません。ただし、既存契約にも内訳表示が必要で、新制度に対応した契約への速やかな更新に努める規定があります。
確認の出発点は、入居した年だけではなく、現在のLPガス販売契約がいつ締結され、どう更新されているかです。建物が古くても、自分のガス販売契約は施行後に始まっていることがあります。反対に、賃貸借契約を更新したことだけで、ガス販売契約も同じ日に更新されたとは限りません。
2025年4月2日以降に更新したガス販売契約は、新規契約と同様に扱われます。自動更新の条項がある場合を含め、契約期間と更新日をガス会社に確かめてください。「昔からの設備だから」という説明だけで終わらせず、自分の販売契約にどのルールを適用しているのかを聞くと、話が具体的になります。
賃貸向けの規定には、ガス会社と入居者の間で、消費設備の貸与等の費用負担方法に合意がある場合の例外もあります。内容説明に明記したうえで合意する、ガス漏れ警報器の貸与料金などが例です。消費者庁も、施行後の契約について、事前の合意がない場合は原則として設備料金の負担はないと案内しています。設備料金がある場合は、何の設備について、どの書面で、どのような負担に合意した扱いなのかを確認しましょう。
手元にそろえる資料は、ガスの契約書面、最新の料金表、設備の貸与や費用負担に関する書面、請求明細です。契約開始時に渡される「14条書面」と呼ばれる書面にも、料金の計算や設備の所有関係などが記載されます。見当たらなければ、契約内容を確認できる資料の提供を依頼してください。
過去に払った設備料金が自動的に全額返るわけでもありません。返金の可否は、請求の根拠、適用される契約、実際の説明や合意の内容などを踏まえて判断します。納得できない点は、請求月と金額を特定して説明を求め、個別の法的判断が必要なら消費生活センターや弁護士へ相談してください。
賃貸でガス会社を変更できる条件
一般的な賃貸アパートやマンションでは、入居者が自分の部屋だけ別のプロパンガス会社に切り替えるのは難しい場合があります。建物全体のボンベや配管などが一体で管理され、貸主側が供給会社や設備の契約に関わっているためです。料金比較サイトで安い会社が見つかっても、そのまま申し込めるとは限りません。
ただし、ここで「賃貸ではガスの契約者はすべて大家さん」と考えるのは正確ではありません。入居者自身がガス会社と販売契約を結び、使用料金を払っている場合があります。建物の供給設備や業者選定に関する取り決めと、入居者へのガス販売契約を分けて見る必要があるわけですね。
そのため、建物の事情で会社を変更できなくても、現在の料金表を見せてもらうこと、請求根拠を確認すること、料金の見直しを相談することは別の話です。「大家さんが決めた会社だから」と不明な請求までそのまま受け入れず、料金の説明は契約先へ、建物全体の変更相談は管理会社や貸主へ向けましょう。
戸建ての賃貸なら、集合住宅と比べて供給設備が独立している場合もあります。それでも建物や設備は借主の所有物とは限らないため、貸主の承諾、設備の所有関係、現在の契約条件を先に確認します。戸建てだから自由に工事できる、という判断は避けてください。
切り替えを検討できると分かった後には、新しい会社の料金だけでなく、設備の撤去・引き継ぎ、工事の有無、ガスが使えない時間、費用負担を整理します。従来の設備契約に未回収費用があるという説明を受けた場合も、誰の契約に基づき、誰が負担する話なのかを確認し、借主が当然に全額払う前提で進めないことが大切です。
都市ガスへ変更する場合は、さらに建物への引き込みや配管、対応する機器などの検討が必要です。近くの道路に都市ガス管があるだけで、自室をすぐ切り替えられるわけではありません。今の住まいでできる料金見直しと、建物設備を変える相談を分ければ、管理会社に聞く内容も絞り込めます。
賃貸のプロパンガスが高いときの交渉術

料金の内訳を整理できたら、ガス会社と管理会社に、それぞれ判断できることを相談します。値下げのお願い、設備や契約の確認、日々の節約を組み合わせ、自分の部屋で実行できる方法を探しましょう。
ガス会社へ料金内訳と値下げを相談
最初の相談先は、請求書に記載されたガス会社です。建物の供給会社を入居者だけで変更しにくい場合でも、現在の料金の説明を求め、見直しを相談することはできます。建物側が会社を選ぶ仕組みと、利用者が自分の料金について問い合わせることを分けて考えてください。
連絡前には、契約者名、お客様番号、物件名・号室、直近の請求書、料金表をそろえます。値上がりが気になるなら、変更前後の明細と通知も準備し、同じ使用量で料金がどう変わるのかを聞きましょう。
質問は「高すぎるので安くしてください」だけで終わらせず、「今月の請求を基本・従量・設備の各料金とその他の費用に分けて説明してください」「適用中の料金表と、前回の改定日・変更理由を確認したいです」と具体化します。電話では担当者名と回答日を控え、料金表はメールなどで受け取ると後から見直せます。
そのうえで「現在の使い方に適用できる料金プランや、基本料金・従量単価を見直せる余地はありますか」と尋ねます。比較資料がある場合も、戸建て向けの広告価格を集合住宅にそのまま当てはめず、自分の住所・建物で適用される条件かを確かめてください。料金の説明と、値下げの可否は別の質問として聞くのがポイントです。
安くなるという回答をもらったら、変更後の単価だけで安心せず、適用開始日、割引期間、終了後の料金、再改定の条件を確認します。「今月だけの調整」なのか「以後の料金表の変更」なのかで効果は違います。基本料金が上がる代わりに従量単価が下がる場合も、いつもの使用量で総額を計算してもらいましょう。
相談しても値下げが保証されるわけではありませんが、応じられない理由や見直し可能な時期が分かれば、管理会社への相談に役立ちます。合意内容は書面で残し、変更後の最初の請求に反映されたかまで確かめましょう。
管理会社や大家への交渉文例
管理会社には、請求額そのものの決定より、貸主への取次ぎや建物全体の供給条件の確認を相談します。現在のガス会社に料金見直しを働きかけられるか、別会社への切替えを検討できるか、設備の所有者や契約条件がどうなっているかを聞く形です。担当者だけで決められないこともあるため、誰の確認が必要かを整理しましょう。
伝える順番は、請求の事実、疑問点、ガス会社へ確認した結果、希望する対応です。「大家が上乗せしているはず」と決めつけず、明細と回答内容を添えます。次の文例の空欄を埋めれば、料金を示しながら貸主への相談を依頼できます。
件名:○○マンション○号室のLPガス料金に関するご相談
いつもお世話になっております。○号室の○○です。○月分は使用量○○㎥、基本料金○○円、従量料金○○円、設備料金○○円、請求総額○○円でした。
料金について○○の点が分からず、ガス会社には○月○日に確認し、○○との回答を受けています。明細と回答を添付します。
貸主様へのご確認のうえ、現在の料金の見直しや、建物全体で供給会社を変更する検討が可能か、ご教示いただけますでしょうか。○月○日までに、まずは確認状況をご連絡いただけますと幸いです。
回答希望日は、急を要さない料金相談なら、例えば一週間から十日ほど先に置く方法があります。これは連絡を進めるための任意の目安で、法定の回答期限ではありません。結論を出すまで時間が必要なら、貸主への確認予定や次の連絡日だけでも共有してもらいます。
会社の変更には、共用設備、配管の所有関係、貸主と事業者の契約などの確認が必要です。管理会社から「変更できない」と言われたときも、入居者単独の変更が難しいという意味なのか、建物としての検討もできないのかを尋ねると、話が混ざりません。電話とメールの使い分けは、管理会社への相談を記録に残す伝え方でも整理しています。
断られたときの相談窓口と注意点
料金の見直しを断られたら、まず「値下げには応じられない」のか、「請求の内訳を説明してもらえない」のかを分けましょう。前者では条件交渉がまとまらない可能性がありますが、後者や設備費の説明が食い違う場合は、契約と請求の内容を第三者に見てもらう価値があります。断られたという結果だけで、直ちに違法と判断することはできません。
個別の契約や請求について困ったときは、消費者ホットライン188から身近な消費生活センターなどへ相談できます。相談は無料ですが通話料はかかるため、受付時間とともに消費者庁や自治体の公式案内で確認してください。
相談時は、賃貸借契約書、ガスの契約書面、料金表、明細、改定通知、やり取りの記録をそろえます。「違反か判定してほしい」だけでなく、「設備料金の説明と請求が違う」「内訳を求めても回答がない」など、確認したい点を絞ると状況を伝えやすいですね。返金を求めたい場合は、対象月と金額、その理由も整理します。
資源エネルギー庁の「LPガス商慣行通報フォーム」は、不適切な商慣行に関する情報を行政へ届ける窓口です。監視や制度の運用に役立てられますが、個別の値下げ交渉や返金を仲裁してもらうための窓口とは役割が異なります。送信しただけで請求が止まったり、返金が決まったりするものではありません。
疑問のある請求でも、支払いを自己判断で止めないでください。請求期限が迫っている場合は、ガス会社と相談窓口に事情を伝え、確認中の支払い方法や期限の扱いも相談します。ガス代を家賃から勝手に差し引くと、別の契約についても争いが生じるおそれがあります。
無断で他社へ切り替える手続きを進めたり、管理会社と口論を続けたりするより、未回答の質問を短くまとめて記録に残すほうが次の相談に役立ちます。返金の根拠や契約条項の効力について対立が続く場合は、資料を持って弁護士などへ相談し、必要な対応を検討してください。
お風呂を中心にできるガス代の節約
料金の相談と並行して、自分で調整できる使用量も見直しましょう。ガス給湯を使う部屋では、調理の火加減だけでなく、お風呂やシャワーで使うお湯に目を向けると、改善できる場面が見つかります。ただし、請求額のうち基本料金などは使用量を減らしても残るため、節約だけで料金の疑問が解決するわけではありません。
湯船を使うなら、浴槽のふたをこまめに閉め、家族の入浴間隔をできる範囲で短くするのが取り組みやすい方法です。お湯が冷めるのを抑えれば、温め直す回数を減らせます。資源エネルギー庁や環境省も、間隔を空けない入浴やふたの活用を省エネの工夫として紹介しています。
シャワーでは、髪や体を洗っている間の出しっぱなしを減らします。長時間流し続ける習慣があるなら、まず不要な時間を一つ減らす程度から始めると続けやすいですね。湯船とシャワーのどちらが安いかは、浴槽の湯量、人数、シャワーの流量と時間によって変わるため、どちらかが常に得とはいえません。
給湯温度や自動保温の設定は、給湯器と混合水栓の取扱説明書に沿って調整してください。機器の推奨設定を確かめたうえで、不要な保温時間を減らすなどの工夫をしましょう。節水シャワーヘッドを買う場合も、接続できるか、給湯器との組合せに制限がないか、購入前にメーカーの案内を確かめましょう。
コンロを卓上IHに替えれば調理に使うガスは減らせますが、浴室や台所でガス給湯を使い続けるなら、ガス契約と基本料金などは残ります。IH本体や鍋の購入費、増える電気代まで含めて比較する必要があります。「コンロを使わなければガス代がゼロになる」と考えて買い替えるのは早いです。
節約の効果は請求額だけでなく使用量でも振り返ります。単価の改定や冬の水温低下が重なると、工夫しても金額が増える場合があるためです。前年同月や生活人数、在宅日数も参考にしてください。削減額は契約と使い方で変わるので、体調や暮らしに無理のない範囲で続けましょう。
入居前の料金確認と引越しの判断
次の住まいを探す場合は、家賃だけでなく、契約する前にその部屋のガス料金表を確認しましょう。「プロパンガスです」と分かっても、実際の基本料金や使用量ごとの総額までは分かりません。不動産会社に供給事業者名と連絡先を聞き、料金表を受け取ってから候補を比較すると安心です。
2024年7月2日から、LPガス事業者には入居希望者へ料金情報を事前に提示する努力義務が設けられています。また、入居希望者から事業者へ直接情報提供を求めた場合は、応じることが義務付けられています。仲介会社がガス料金を一律に重要事項説明で説明しなければならない、というルールと混同しないでください。
問い合わせる際は、物件名・所在地・号室を伝え、「入居を検討しているので、この住戸に適用される料金表と設備料金の有無を確認したいです」と依頼します。自分の普段の使用量を伝えて総額を聞くと、家計に当てはめやすくなります。ガス代以外の見落としを減らすには、賃貸の内見で確認する設備・費用のチェックポイントも参考にしてください。
すでに住んでいる部屋からの引越しは、毎月の住居費・光熱費の差と、引越しに必要な追加費用を合わせて判断します。都市ガスの部屋でガス代が下がっても、家賃や管理費が上がれば、家計全体では安くならない場合があります。通勤費や駐車場代の変化も、必要に応じて加えてください。
条件を置いた計算例:引越しの追加費用が18万円、家賃・管理費・光熱費を合計した毎月の支出が6,000円減るなら、単純計算では18万円÷6,000円=30か月で追加費用を回収します。相場や節約額の保証ではなく、この条件での計算です。
実際には、初期費用、引越し代、二重家賃、現在の契約の解約予告や違約金も確認します。返還予定の敷金は費用と分け、手元に必要な現金も見てください。予定する居住期間が短いなら、現在の料金交渉を続けるほうが負担を抑えられる可能性があります。金額に加え、立地や住みやすさも含めて判断しましょう。
賃貸のプロパンガスが高いときのまとめ
賃貸のプロパンガスが高いと感じたときは、明細を一枚用意し、使用量が増えたのか、単価が変わったのか、設備料金や別の費用があるのかを分けましょう。比較する際も、同じ地域・使用量・税込み条件で見ることが出発点です。請求額だけで我慢や引越しを決める必要はありません。
例えば、前年同月より使用量が増えたなら、入浴や在宅時間の変化を振り返ります。使用量が同程度なのに請求額が増えたなら、料金改定や割引終了をガス会社に確認します。内訳が分からない場合は、節約方法を増やす前に、適用されている料金表と計算方法を受け取ることを優先しましょう。
設備料金に疑問がある場合も、表示名だけで返金の可否を決めることはできません。契約時期、費用の対象、説明や合意の内容を確認して判断する必要があります。制度改正があったことと、自分の請求が自動的に下がることは同じではないため、事業者の説明と手元の書類を照らし合わせてください。
相談は、ガス会社には料金の説明と見直し、管理会社には貸主への確認や建物全体の条件について、と役割を分けると進めやすくなります。希望した値下げが実現しなくても、何を確認できて何が未回答かが残れば、消費生活センターなどへ具体的に相談できます。判断しにくい請求は、支払期限を迎える前に助言を求めましょう。
見直しに合意できたら、料金表と適用日を保存し、次の明細で反映を確かめます。対応が進まない場合は、約束した連絡日を確認して未回答の点を再送しましょう。その間も無理なくできる給湯の節約を続ければ、交渉の成否だけに家計改善を頼らずに済みます。
私が大切だと考えるのは、高いと感じた理由を説明できる資料をそろえ、判断できる相手に届けることです。新居を探す際も同じ考え方で、契約前の料金表と住居費全体を確認してください。まず今日できる一歩は、最新の明細にある分からない項目を書き出し、ガス会社へ問い合わせることです。