賃貸の更新料はどこに書いてある?契約書の見方と支払い義務を解説

賃貸の更新料はどこに書いてある?契約書の見方と支払い義務を解説

こんにちは。賃貸トラブル解決ナビ、運営者の熊坂です。

賃貸住宅に住んでいて、契約期間の満了が近づくと送られてくる「契約更新のお知らせ」。そこに記載された更新料の金額を見て、「えっ、こんなに支払わないといけないの?」「そもそも、契約の時にこんな話あったっけ?」と驚いてしまった経験はありませんか。更新料は家賃の1ヶ月分から数ヶ月分に及ぶこともあり、決して安い金額ではありませんよね。

慌てて契約書を確認しようとしても、細かい文字がびっしりと並んだ書類のどこを見ればいいのか分からなかったり、あるいは肝心の契約書が見当たらなくて焦ってしまったりすることもあるでしょう。実は、「賃貸 更新料 どこに書いてある」と検索されている方は非常に多く、皆さんが同じような不安を抱えているのです。

この記事では、宅地建物取引士としての専門的な知識と、多くの賃貸トラブルを解決してきた経験をもとに、更新料に関する契約書のチェックポイントから、支払い義務の有無、そして更新料を安くするための交渉術まで、あなたが今知りたい情報を徹底的に解説します。これを読めば、手元の契約書を正しく読み解き、貸主や管理会社と対等に話ができるようになりますよ。

  • 契約書の「頭書」「本文」「特約」のどこを見るべきかが明確に分かります
  • 更新料と更新事務手数料の違いや、法的な支払い義務のルールを理解できます
  • 契約書を紛失した場合や、記載がない場合の具体的な対処法が身につきます
  • 更新料の減額交渉や、支払いを回避できる可能性があるケースを知ることができます
目次

賃貸の更新料はどこに書いてある?契約書の記載箇所

「更新料は払わなければならないのか?」という疑問への答えは、全てあなたが交わした賃貸借契約書の中に隠されています。しかし、契約書といっても数ページにわたる文書のどこに何が書いてあるのか、慣れていないと探すだけでも一苦労ですよね。ここでは、まず契約書のどの部分をチェックすれば更新料の条件が分かるのか、その具体的な記載箇所と読み解き方を解説します。

頭書や特約事項など契約書の記載場所

頭書や特約事項など契約書の記載場所

まず結論からお伝えすると、更新料に関する記載は、契約書の「頭書(とうしょ)」「本文(条文)」、そして「特約事項」の3つの場所に分散して書かれていることが一般的です。これらを一つずつ確認していくことで、正確な契約内容を把握することができます。

最も分かりやすいのが、契約書の1ページ目や冒頭にある「頭書」と呼ばれる部分です。ここは、契約の主要な条件が表形式でまとめられている箇所で、「賃料」「共益費」「敷金」「礼金」などが一覧になっています。多くの標準的な契約書では、この並びに「更新料」という項目が設けられています。

チェックポイント:頭書の記載例

  • 項目名:更新料
  • 内容:新賃料の1ヶ月分
  • 支払時期:契約期間満了の1ヶ月前まで

ここに「新賃料の1ヶ月分」や具体的な金額(例:50,000円)が書かれていれば、契約締結時にその条件で合意していることになります。特に注意したいのが、「新賃料の」という表現です。もし契約更新時に家賃の値上げがあった場合、それに連動して更新料も高くなることを意味しています。

次に確認すべきは、契約書の「本文(条文)」です。「第○条(契約期間及び更新)」や「第○条(更新料)」といった見出しを探してください。ここには、更新料を支払う条件やタイミングが文章で詳しく定義されています。

そして、最も見落としやすく、かつ重要なのが「特約事項」です。特約事項は、契約書の末尾や別紙に記載されていることが多く、標準的な条文(本文)の内容を修正したり、追加の条件を課したりするために使われます。不動産取引の実務において、特約は本文よりも優先して適用されるという強力なルールがあるため、ここに更新料に関する厳しい条件が書かれていることがあるのです。

要注意な特約の例 「本契約が法定更新された場合であっても、借主は契約更新料として新賃料の1ヶ月分を支払うものとする。」 「契約期間の中途で解約した場合でも、更新料の返還は行わない。」

もし本文に「協議の上更新する」と書いてあっても、特約に上記のような記載があれば、特約の内容が優先されます。小さな文字で書かれていることも多いですが、特約事項こそ隅々まで目を通す必要があります。

契約書を紛失して確認できない時の対処法

契約書を紛失して確認できない時の対処法

長く同じ部屋に住んでいると、「入居した時の契約書をどこにしまったか忘れてしまった」「引っ越しの荷物に紛れて紛失してしまった」ということも珍しくありません。契約書が手元にないと、更新料の条件を確認する術がないように思えますが、決して諦める必要はありません。情報を復元するためのルートはいくつか存在します。

まずは、現在物件を管理している管理会社に連絡を取るのが最も確実でスムーズな方法です。宅地建物取引業法などの規定により、不動産業者は取引に関する書類を一定期間保存する義務を負っています。「更新の条件を確認したいので、契約書の写し(コピー)を送っていただけませんか?」と依頼すれば、通常は快く対応してくれます。これは借主としての正当な権利ですので、遠慮せずに問い合わせてみましょう。

もし管理会社が入っておらず、大家さん(貸主)と直接やり取りしている「自主管理物件」の場合は、貸主に直接お願いすることになります。関係性が良好であれば問題ありませんが、もし関係がこじれているような場合は、少し慎重になる必要があります。その場合は、契約時に仲介をしてくれた不動産仲介会社に連絡してみるのも一つの手です。仲介会社も契約書類の控えを保管しているケースが多いからです。

アドバイス 管理会社や仲介業者に連絡する際は、単に「契約書をなくした」と伝えるだけでなく、「更新の検討にあたり、条件を再確認したい」という前向きな理由を添えると、相手も協力的な姿勢になりやすいです。

また、契約書そのものがなくても、入居時に受け取った「重要事項説明書」が残っていれば、そこからも情報を得ることができます。重要事項説明書には、更新に関する事項(更新料の有無、金額、算定方法)が必ず記載されています。契約書とセットで保管されていることが多いので、ファイルの中を探してみてください。

どうしても書類が見つからず、管理会社等の協力も得られない場合(例えば、業者が廃業しているなど)は、過去の更新時の振込明細や、更新のお知らせ通知などを探してみましょう。過去に更新料を支払った実績があれば、それが「更新料の合意があった」という一つの証拠になりますが、逆に言えば「過去に払っていなければ、合意はなかった」と主張する材料にもなり得ます。

契約書に書いてない場合は支払う必要なし

契約書に書いてない場合は支払う必要なし

契約書を隅から隅まで確認したけれど、「更新料」という文字がどこにも見当たらない。あるいは、特約事項にも更新に関する金銭的な負担についての記述がない。このような場合、更新料を支払う義務はあるのでしょうか。

結論から申し上げますと、契約書に記載がない場合、原則として更新料を支払う法的義務はありません。

日本の法律において、賃貸借契約は貸主と借主の合意によって成り立っています。特に金銭的な負担を伴う条件については、契約書という書面での明確な合意が強く求められます。これを法的には「明示の合意」といいます。したがって、契約書に一言も書かれていない更新料を、貸主が後から「慣習だから」とか「みんな払っているから」という理由で請求することは、法的には認められない可能性が非常に高いのです。

ただし、注意が必要なのは「黙示の合意(もくじのごうい)」とみなされるケースです。例えば、契約書には書いていないけれど、過去の更新時に借主が異議を唱えずに更新料を支払っていた場合や、口頭で明確に説明を受けて承諾していたことが証明される場合などは、「支払うことに合意していた」と判断されるリスクがあります。

しかし、平成23年の最高裁判決以降、更新料に関する取り決めは「契約書において、額が具体的かつ一義的に記載されていること」が有効性の重要な要件とされています。つまり、「更新時には相応の費用を負担する」といった曖昧な書き方や、全く記載がない状態での請求は、借主が拒否すれば認められないのが現在の主流な考え方です。

また、更新料の有無には地域性が大きく影響します。首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)や京都では更新料があるのが当たり前ですが、大阪や兵庫などの関西圏では、更新料という概念自体が希薄な地域もあります。もしあなたが関西圏の物件にお住まいで、契約書に記載がないのに請求されたとしたら、それは地域的な慣習とも異なるイレギュラーな請求である可能性が高いと言えます。

ポイント もし契約書に記載がないのに請求書が届いたら、まずは管理会社に「契約書の第何条に基づく請求でしょうか?」と冷静に確認してみましょう。根拠となる条文を示せなければ、支払いを拒否する正当な理由になります。

更新料と更新事務手数料の違いに注意する

更新のタイミングで請求される費用には、「更新料」とは別に、あるいは「更新料」の代わりに「更新事務手数料」という項目が含まれていることがあります。名前が似ているので混同されがちですが、この2つは支払う相手も、その性質も全く異なるものです。ここを理解していないと、思わぬ出費や二重払いのトラブルに巻き込まれる可能性があります。

項目更新料更新事務手数料
支払う相手貸主(大家さん)管理会社・不動産会社
意味合い契約継続への謝礼 権利維持の対価契約書作成などの 事務手続き費用
相場家賃の1ヶ月〜2ヶ月分数万円〜0.5ヶ月分 (+消費税)

更新料は、あくまで貸主(大家さん)の収益となるもので、家賃の補充や契約継続の対価としての性質を持ちます。一方、更新事務手数料は、更新契約書の作成や郵送などの事務作業を行う管理会社(不動産会社)に対する報酬です。

ここで問題になりやすいのが、「更新事務手数料の支払い義務」です。本来、管理会社は貸主から管理委託を受けて業務を行っているため、更新事務にかかる費用も貸主が負担するのが筋です。これを借主に負担させるためには、更新料と同様に契約書に明確な特約が必要となります。

最近の傾向として、貸主が「更新料はゼロ」とする代わりに、管理会社が高額な「更新事務手数料」を借主に請求するケースが増えています。また、最も負担が大きいのが、更新料(1ヶ月分)と更新事務手数料(数万円)の両方を請求される「二重取り」のケースです。これも契約書に両方の記載があれば法的には有効となってしまいますが、借主としては納得がいかない部分でしょう。

さらに細かい点ですが、更新料は住居用であれば「非課税」ですが、更新事務手数料は役務提供の対価であるため「消費税」がかかります。請求書を見たときに、消費税が加算されているかどうかで、その費用の性質を見分けることもできます。

更新料の相場と法的な支払い義務の関係

「契約書に書いてあれば、どんなに高くても払わなければならないのか?」というと、必ずしもそうではありません。消費者契約法には、消費者の利益を一方的に害する不当な契約条項を無効とする規定(第10条)があります。では、いくらまでなら有効で、いくらからが無効なのでしょうか。

この点について、平成23年7月の最高裁判決が大きな基準を示しました。最高裁は、更新料の性質を「家賃の補充」や「契約継続の対価」と認め、一定の範囲内であれば「経済的合理性がないとは言えない」として有効と判断しました。

その際、有効とされる目安(相場)として以下の要素が考慮されます。

  • 賃料の額や契約期間
  • 周辺地域の相場
  • 更新料の額が「高額に過ぎる」かどうか

一般的に、家賃の1ヶ月分〜2ヶ月分程度であれば、多くの地域での相場(慣習)の範囲内として、有効と判断される可能性が高いです。特に首都圏では、2年ごとの更新で家賃の1ヶ月分というのがデファクトスタンダード(事実上の標準)となっています。

一方で、例えば「1年契約で更新料が家賃の3ヶ月分」といった極端に高額な設定や、更新料の相場が存在しない地域での突出した請求などは、「高額に過ぎる」として、消費者契約法により無効となる(減額される)可能性があります。

地域による相場の違い(国土交通省調査より)

  • 神奈川県・東京都・千葉県: ほとんどの物件で「あり」。相場は1ヶ月分。
  • 京都府: 「あり」が多く、相場も高い傾向。
  • 大阪府・兵庫県: 「なし」が一般的。更新料ゼロ文化が根強い。
  • 北海道: 「なし」または数千円の事務手数料のみが多い。

このように、あなたが住んでいる地域の「常識」と照らし合わせることも重要です。もし相場を大きく逸脱した金額が契約書に書かれていた場合は、最高裁判決の基準を盾に、無効や減額を主張できる余地があるかもしれません。

重要事項説明書と記載内容が違う場合

契約書を確認する過程で、稀に「重要事項説明書には更新料の記載があるのに、契約書本体には記載がない」あるいはその逆といった、書類間での矛盾(不一致)が見つかることがあります。この場合、どちらの内容が優先されるのでしょうか。

法的な原則としては、契約書本体(賃貸借契約書)の記載が最終的な合意内容として優先されると考えられます。重要事項説明書は、あくまで契約を締結するかどうかを判断するために、事前に説明を受けるための書類だからです。もし契約書に更新料の記載がなければ、仮に重要事項説明書に「有」とあっても、最終的に「更新料なしで契約が成立した」と解釈できる余地があります。

しかし、実務上はそう簡単ではありません。契約時に重要事項説明書に署名・捺印をしているということは、「説明を受けて内容を理解した」という証拠になります。貸主側は「単なる契約書の記載漏れであり、重要事項説明で合意形成はできている」と主張してくるでしょう。この場合、言った言わないの水掛け論になりやすく、トラブルに発展しやすいパターンです。

逆に、「重要事項説明書には『無』と書いてあったのに、契約書には『有』と書いてある」というケースは、借主にとって有利に働く可能性があります。宅地建物取引業法では、重要事項として正確な説明をすることが義務付けられています。もし説明と異なる不利益な条件が契約書に紛れ込んでいた場合、「説明義務違反」や「錯誤(勘違い)」を理由に、その条項の無効を主張したり、仲介業者への損害賠償を検討したりすることができます。

注意点 このような矛盾を見つけた場合は、自己判断で支払いを拒否する前に、まずは消費生活センターや宅建協会などの専門窓口に相談し、書類を見てもらうことを強くおすすめします。プロの視点で、どちらの書類が法的に優勢かを判断してもらうのが安全です。

賃貸の更新料がどこに書いてあるか確認後の対処法

さて、契約書を確認し、更新料に関する記載の有無や内容がはっきりしました。ここからは、その結果に基づいてあなたが取るべき具体的なアクションについて解説します。「払わなければならないのか」「交渉の余地はあるのか」といった、より実践的な局面に話を進めていきましょう。

更新料を払わなくていいケースの条件

更新料を払わなくていいケースの条件

ここまで解説してきた内容を踏まえ、更新料を支払わなくて済む、あるいは支払いを拒否できる可能性が高いケースを整理します。もし以下の条件に当てはまる場合は、そのまま支払ってしまう前に一度立ち止まって考えてみてください。

1. 契約書に更新料の記載が一切ない場合 前述の通り、これが最も強力な理由になります。特約にも記載がなく、口頭での合意もしていないのであれば、支払い義務は発生しません。管理会社から請求書が来ても、「契約書のどの条項に基づく請求ですか?」と確認し、根拠がなければ支払いを断ることができます。

2. 法定更新(自動更新)され、かつ特約がない場合 これについては次の項目で詳しく解説しますが、手続きをせずに自動的に契約が更新された場合、契約書に「法定更新でも更新料を支払う」という特別な記載(特約)がなければ、支払い義務がなくなるという判例があります。

3. 更新料の額が暴利である場合 例えば「更新料として家賃の5ヶ月分」など、常識を逸脱した金額である場合は、消費者契約法によりその条項自体が無効となる可能性があります。ただし、何ヶ月分からが暴利かという明確な線引きは難しいため、弁護士等の専門的な判断が必要です。

4. 貸主との間で「免除」の合意が取れた場合 これは交渉の結果ですが、貸主が「長く住んでくれるなら今回は更新料なしでいいよ」と認めてくれれば、当然支払う必要はありません。口約束ではなく、メールや書面で記録を残すことが重要です。

自動更新された場合に更新料は発生するか

ここが今回の解説の中で、最も法的でテクニカル、かつ「抜け道」として議論されることが多いポイントです。借地借家法には「法定更新(ほうていこうしん)」という制度があります。

これは、契約期間が満了しても、貸主・借主のどちらからも更新拒絶の通知がなく、借主がそのまま住み続けた場合、「従前の契約と同一の条件」で契約が自動的に更新されたとみなされる仕組みです。このとき、契約期間は「期間の定めのない契約」となります。

ここで問題になるのが、「合意して更新手続きをしたわけではないのに、更新料を払う必要があるのか?」という点です。これに関しては、裁判所の判断も分かれてきましたが、現在の実務上の主流な考え方は以下の通りです。

  • 原則:支払い義務はない 契約書に「法定更新の場合も更新料を支払う」という明確な記載がない限り、法定更新においては更新料の支払い義務は発生しないとされるケースが多いです(東京地裁などの判例)。なぜなら、更新料は「合意更新」の対価としての性質が強いため、合意のない法定更新には適用されないと考えられるからです。
  • 例外:特約があれば支払い義務あり 契約書に「本契約が法定更新された場合であっても、借主は更新料を支払わなければならない」といった明示的な特約(条文)がある場合は、支払い義務が認められます。最近の契約書では、このトラブルを防ぐためにこの特約が入っていることが非常に多いです。

法定更新を狙うリスク 「じゃあ、更新手続きを無視して法定更新にしちゃえば、更新料を払わなくて済むかも?」と考える方もいるかもしれません。しかし、これはハイリスクな戦略です。意図的に手続きを無視すれば、貸主や管理会社との信頼関係は完全に崩壊します。エアコンが壊れた時の対応が遅くなったり、将来的な家賃交渉に応じてもらえなくなったりするでしょう。また、契約書にしっかり特約が書かれていれば、結局は遅延損害金を含めて請求されることになります。

更新料の値下げ交渉を成功させる方法

更新料の値下げ交渉を成功させる方法

「契約書にバッチリ書いてあるし、特約もある。でも、金銭的に厳しい…」という場合、最後に残された手段は交渉です。実は、更新のタイミングは家賃や更新料の条件を見直す絶好のチャンスでもあります。ただし、ただ「安くして」と頼むだけでは成功しません。論理的な交渉術が必要です。

交渉の武器1:周辺相場の調査 SUUMOやLIFULL HOME’Sなどのポータルサイトで、あなたの住んでいるマンションや近隣の類似物件の募集家賃を調べてみてください。もし、今のあなたの家賃よりも安く募集されていたり、「礼金ゼロ・更新料なし」で募集されていたりする場合、それは強力な交渉材料になります。「新規の入居者には安い条件で募集しているのに、長く住んでいる私が高い更新料を払うのは不合理ではないか」と主張できます。

交渉の武器2:優良入居者としての実績 貸主にとって一番怖いのは「空室」と「家賃滞納」、そして「入居者トラブル」です。もしあなたがこれまで家賃を一度も遅れずに払い、クレームも出さずにきれいに部屋を使っているなら、あなたは貸主にとって「手放したくない優良顧客」です。「経済的に厳しいが、この部屋が気に入っているので長く住みたい。更新料を半額にしてもらえれば即決で更新する」というように、「住み続けたい意思」と「条件」をセットで提示するのがコツです。

交渉の武器3:代替案の提示 更新料自体の減額が難しい場合、別の形での還元を求めるのも賢い方法です。 「更新料は満額払うので、古くなったエアコンを新品に交換してほしい」 「更新料は払うが、来月からの家賃を2,000円下げてほしい(2年間で48,000円の削減になり、更新料約0.5ヶ月分に相当)」 このように、トータルで得をする交渉を持ちかけると、貸主も経費計上などの観点から応じやすい場合があります。

タイミング 交渉は、更新通知が届いてから早め(満了の1〜2ヶ月前)に行うのがベストです。期限ギリギリだと、管理会社も事務処理の都合上、柔軟な対応が難しくなります。

更新料を払わないとどうなるかリスク解説

交渉が決裂し、それでも納得がいかずに更新料を支払わなかった場合、どのような事態になるのでしょうか。感情的になって「払わずに居座る」という選択をすると、深刻な不利益を被る可能性があります。

1. 連帯保証人や保証会社への請求 あなたが支払わない場合、まず間違いなく連帯保証人に請求がいきます。親族などの保証人に迷惑をかけることになります。また、家賃保証会社を利用している場合、保証会社があなたに代わって更新料を立替払いし、その後、保証会社からあなたに対して厳しい取り立てが行われます。

2. 契約解除と退去勧告 最高裁判決で更新料特約が有効とされている以上、正当な理由なく支払いを拒否し続けることは「債務不履行」にあたります。信頼関係が破壊されたとして、賃貸借契約の解除(強制退去)を求められる法的リスクがあります。実際に、更新料の不払いを理由とした契約解除を認める判決も出ています。

3. 次の入居審査への影響 家賃保証会社系のデータベース(LICCなど)や、信販系の信用情報機関(CICなど、クレジットカード払いの場合)に、延滞の事実が記録される可能性があります。こうなると、次に引っ越しをしようとした際に、入居審査に通らなくなるリスクがあります。

火災保険や保証会社の更新料も確認する

更新の際にかかる費用は、更新料だけではありません。忘れてはいけないのが「火災保険料」「保証会社の更新料(保証委託料)」です。これらは更新料とは別の契約に基づく費用ですが、同じタイミングで請求されるため、トータルの出費として計算に入れておく必要があります。

火災保険の見直しでコストダウン 管理会社から送られてくる更新書類には、指定の火災保険の申込書が同封されていることが多いです(2万円程度など)。しかし、実は借主には自分で火災保険を選ぶ権利があります。ネット型の火災保険や共済などを自分で契約すれば、同等の補償内容でも年間4,000円〜5,000円程度に抑えられるケースが多々あります。「自分で加入して保険証券のコピーを提出します」と伝えれば、管理会社指定の保険を断ることができます。これは確実な節約術です。

保証会社の更新料は必須 一方で、家賃保証会社の更新料(1年ごとに1万円、または2年ごとに賃料の数%など)は、回避するのが難しい費用です。これは保証委託契約に基づくものであり、支払わないと保証契約が終了し、結果として賃貸借契約の違反(保証人を立てられない状態)になってしまうからです。

まとめ:賃貸の更新料はどこに書いてあるか再確認

賃貸の更新料について、契約書の記載箇所から交渉術まで詳しく解説してきました。最後に、今回の記事の要点を振り返っておきましょう。

記事のまとめ

  • 更新料は契約書の「頭書」「本文」「特約」の3箇所を必ずチェックする。
  • 特に「特約事項」は本文よりも優先されるため、小さな文字でも見落とさない。
  • 契約書を紛失しても、管理会社や仲介業者に依頼すれば確認・復元が可能。
  • 契約書に記載がなければ、原則として更新料を支払う義務はない(地域慣習に注意)。
  • 「更新料」と「更新事務手数料」は別物。二重請求されていないか確認する。
  • 支払いが厳しい場合は、周辺相場や優良入居者であることを武器に減額交渉を試みる。
  • 火災保険は自分で選ぶことで、更新時のトータルコストを下げられる可能性がある。

「賃貸 更新料 どこに書いてある」と検索したあなたは、きっと今の契約内容に何かしらの疑問や不安を感じていたはずです。しかし、契約書という「ルールブック」を正しく読み解く知識を持った今、もう漠然とした不安に怯える必要はありません。

更新の通知は、単なる支払いの請求書ではなく、今の住まいや契約条件を見直すための「きっかけ」です。この記事で得た知識を武器に、管理会社と冷静に話し合い、納得のいく形で契約更新(あるいは住み替え)の判断をしてくださいね。あなたの賃貸ライフが、より安心で快適なものになることを応援しています。

※本記事は一般的な法的情報および実務慣行に基づく解説です。個別の契約内容やトラブルについては、弁護士や消費生活センター等の専門家にご相談の上、最終的な判断を行ってください。

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