
こんにちは。賃貸トラブル解決ナビ、運営者の熊坂です。せっかく希望を持って入居した新しいお部屋なのに、エアコンが効かなかったりお湯が出なかったりと予期せぬ設備の不具合に見舞われてしまうのは本当に辛いことだと思います。管理会社に連絡しても対応が遅かったり、家賃はそのまま払い続けなければならなかったりすることに納得がいかず、どうにかして金銭的な補償や返金を求めたいと考えるのは当然の権利です。
賃貸物件の入居後に発生した不具合に対して、私たち借主はどのような権利を持っているのか、そして具体的にどのくらいの金額が返金される可能性があるのかを正確に知ることは、自分の生活を守るために不可欠な知識となります。多くの人が不安に感じる交渉の方法や相場に関する疑問を解消し、泣き寝入りすることなく正当な主張ができるよう、この記事では専門的な知識をわかりやすく解説していきます。
- 2020年の民法改正で確定した「家賃減額」の法的権利と仕組み
- 日管協ガイドラインに基づく設備ごとの具体的な返金相場と計算式
- エアコン故障や水漏れトラブルで実際に適用される最新の減額基準
- 管理会社に対する効果的な交渉メールの書き方と法的措置の手順
賃貸入居後の不具合で返金を請求する基礎知識
「入居早々、設備が壊れたからお金を返してほしい」。この切実な願いを叶えるためには、感情論ではなく「法律」と「ガイドライン」という二つの強力な武器を装備する必要があります。ここでは、プロの不動産実務者も参照する確かな基準をもとに、あなたが持つ権利の正体を明らかにしていきましょう。
民法611条に基づく賃料減額の計算方法

まず、すべての入居者が知っておくべき最も重要な法律が「民法第611条」です。実は2020年4月の民法改正によって、私たち借主の権利は劇的に強化されました。
改正前は、設備が壊れた場合、「賃料の減額を請求することができる」とされていました。つまり、こちらから「安くしてください」とお願いして、大家さんが「いいよ」と言わない限り、減額が確定しないようなニュアンスがあったのです。これが交渉を難航させる一因となっていました。
しかし、現在の民法611条は違います。
【重要】民法第611条(賃借物の一部滅失等による賃料の減額等)
「賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される。」
注目すべきは、文末が「減額される」という断定的な表現に変わったことです。これはどういうことかというと、あなたが請求しようがしまいが、設備が使えなくなった瞬間から、法律上すでに家賃は安くなっているということを意味します。大家さんの承諾は必要ないのです。これを「当然減額」と呼びます。
では、具体的に「いくら」減額されるのでしょうか。法律には具体的な金額までは書かれていません。そこで実務上使われるのが、次の計算式です。
賃料減額の基本計算式
減額金額 = 月額賃料 × 減額割合(%) × (不具合期間 - 免責日数) ÷ 30日
この式には3つの要素があります。
- 減額割合:その設備が使えないことで、生活にどれくらいの支障が出るか(例:電気が使えないなら40%、エアコンなら10%など)。
- 不具合期間:実際に故障していた日数。
- 免責日数:修理手配に必要な標準的な期間。この期間分は減額されないとするのが一般的です。
「免責日数」という概念に納得がいかない方もいるかもしれませんが、どんなに迅速な管理会社でも、業者の手配に1日〜2日はかかります。その間の不便は「お互い様」として我慢しましょう、というのがこのルールの趣旨です。ただし、大家さんが手配を忘れていた場合などは、この免責日数を0日として計算するよう交渉することも可能です。
日管協ガイドラインによる設備別の減額相場
前述の計算式を使うにあたり、「減額割合」をどう設定するかが最大の争点になります。大家さんは「1%くらいだ」と言うかもしれませんし、あなたは「100%だ」と言いたくなるでしょう。
そこで登場するのが、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(日管協)が作成した「貸室・設備等の不具合による賃料減額ガイドライン」です。これは法律そのものではありませんが、不動産業界のデファクトスタンダード(事実上の標準)として、裁判や調停の場でも参考にされる非常に権威ある指標です。
このガイドラインを知っているかいないかで、交渉力には天と地ほどの差が出ます。「なんとなく安くして」と言うのと、「日管協のガイドラインに基づけば、このケースは〇〇円の減額が妥当です」と言うのとでは、相手の反応が全く違うからです。
以下に、主要な設備ごとの減額目安をまとめました。これらはあくまで目安ですが、交渉の出発点として非常に有効です。
| 不具合箇所 | 使用できない状況 | 減額割合(目安) | 免責日数(目安) |
|---|---|---|---|
| 電気 | 供給停止 | 約40% | 2日 |
| ガス | 供給停止 | 約10% | 3日 |
| 水道 | 供給停止 | 約30% | 2日 |
| トイレ | 使用不可 | 約20% | 1日 |
| 風呂 | 使用不可 | 約10% | 3日 |
| エアコン | 作動しない | 賃料の約10% | 3日 |
| テレビ等 | 視聴不可 | 約10% | 3日 |
| 雨漏り | 使用制限による | 5〜50% | 7日 |
この表を見て、「意外と少ないな」と感じた方も多いのではないでしょうか。例えば、お風呂が壊れても家賃の10%しか引かれないというのは、感覚的には納得しづらいかもしれません。しかし、これはあくまで「家賃(対価)の減額」についての基準です。銭湯代などの実費損害は別途請求できる可能性があります。
注意点
上記の日数は「大家さんが通常の手配努力をした場合」の免責期間です。対応を放置された場合は、免責日数を考慮せず、通報した日から起算して請求する強気な姿勢も必要です。
エアコン故障は新基準でいくら安くなるか

近年、夏の猛暑は命に関わるレベルになっており、エアコン故障は入居者にとって最大のトラブルの一つです。実は、このエアコンに関する減額基準が、2024年10月のガイドライン改定によって大きく変更されたことをご存知でしょうか。
以前のガイドラインでは、エアコン故障時の減額は「月額5,000円」を上限とする定額制に近い考え方が主流でした。家賃が5万円のアパートでも、50万円のタワーマンションでも、エアコンが壊れた時の補償額が同じというのは、高級物件に住む人にとっては不公平感がありました。
しかし、最新の改定により、エアコンの減額目安は「賃料の10%相当額」へと変更されました(地域や季節により調整可)。これにより、家賃が高い物件ほど、高額な返金が認められやすくなったのです。
具体的な計算シミュレーション
例として、家賃10万円の物件で、真夏にエアコンが故障し、修理までに10日間かかったケース(通報から修理完了まで)を考えてみましょう。
- 月額賃料:100,000円
- 減額割合:10%(0.1)
- 不具合期間:10日
- 免責日数:3日
計算式は以下のようになります。 100,000円 × 0.1 × (10日 - 3日) ÷ 30日 = 約2,333円
「えっ、たったの2,333円?」と思われたかもしれません。確かに金額だけ見ると少なく感じるでしょう。しかし、これはあくまで「設備の一部が使えなかったことによる家賃の割引分」です。もし、暑すぎて部屋に居られずホテルに避難した場合は、その宿泊費を別途「損害賠償」として請求できる余地があります(後述します)。
交渉のポイント
ガイドラインには「季節・地域等を考慮し調整する」とあります。もし気温35度を超える猛暑日であれば、「居住そのものが不可能(電気不通と同等)」と主張し、減額割合を20〜30%に引き上げて計算するよう求めるロジックも成り立ちます。ペルソナである私の経験上、強気かつ論理的に交渉することで増額を勝ち取った事例は多々あります。
トイレや給湯器が使えない期間の補償額

次に、生活に直結するトイレと給湯器(お風呂)について深掘りします。これらはエアコン以上に代替が効かない設備であるため、対応の緊急性が高く評価されます。
トイレ故障の場合
トイレが流れない、逆流するといったトラブルは、衛生面でのリスクが極めて高く、生理的欲求に関わるため、精神的な苦痛も大きくなります。ガイドラインでも、他の設備と比べて免責日数が「1日」と非常に短く設定されています。
例えば、家賃8万円でトイレが5日間使えなかった場合: 80,000円 × 20% × (5日 - 1日) ÷ 30日 = 約2,133円
金額は小さいですが、トイレが使えないために近所の公衆トイレやコンビニに行かざるを得なかった精神的苦痛は計り知れません。もし有料の公衆トイレを利用した場合などは、その領収書を保管しておきましょう。
給湯器(お風呂)故障の場合
給湯器が壊れてお湯が出ない場合、お風呂に入れないだけでなく、冬場は洗い物もできず非常に不便です。ガイドラインでは減額割合10%、免責日数3日が目安です。
ここでのポイントは「銭湯代」です。賃料減額とは別に、近隣の銭湯やスーパー銭湯を利用した実費を請求できるかどうかがよく争点になります。法的には、賃料減額(家賃を安くする)でお風呂が使えない分の対価調整は済んでいるため、さらに銭湯代まで請求するのは「二重取り」になるという考え方もあります。
しかし、実務交渉においては、「家賃の日割り減額分よりも銭湯代の方が高くつく」ことが往々にしてあります。その場合、「賃料減額分」と「銭湯代の実費」のどちらか高い方を支払ってもらうという落とし所で合意することが多いです。必ず領収書を取っておくようにしましょう。
水漏れや雨漏り被害の損害賠償と対応

上階からの水漏れや、屋根からの雨漏りは、単なる設備故障とは次元が異なる被害をもたらします。家財が濡れてしまったり、カビが発生したりと、被害額が数十万円規模になることも珍しくありません。
家賃減額の目安
雨漏り等で部屋の一部が使えない場合、その範囲に応じて5%〜50%程度の減額となります。部屋の半分が水浸しで使えないなら50%、バケツを置くだけで済むなら5%といった具合です。原因特定に時間がかかることが多いため、免責日数は7日と長めに設定されています。
家財への損害賠償(ここが重要!)
水濡れによってパソコン、衣服、布団などがダメになった場合、その損害賠償を大家さんに請求できるでしょうか?
答えは「イエス」ですが、条件があります。建物の設備や構造に欠陥(瑕疵)があった場合、大家さんは「工作物責任(民法717条)」という非常に重い責任を負います。これは大家さんに過失(不注意)がなくても責任を負わなければならない「無過失責任」に近いものです。
注意点:カビの扱い
一方で、「カビが生えた」というクレームは揉めやすい筆頭です。大家さんは必ず「あなたの換気が不十分だったからだ(善管注意義務違反)」と反論してきます。カビの原因が建物の断熱不良や漏水であることを証明するのは入居者側の責任となるため、ハードルが高いのが現実です。
もし話し合いが平行線になった場合、最も賢い解決策は「自分の火災保険(家財保険)」を使うことです。多くの火災保険には「水濡れ補償」が含まれています。まずは保険会社に連絡し、保険金を受け取りましょう。その後、保険会社があなたに代わって大家さんに請求(求償)してくれるケースもあります。これが精神的にも最も楽なルートです。
騒音トラブルで退去費用や慰謝料を狙う
「隣人がうるさいから返金して引っ越したい」。これは賃貸トラブル解決ナビに寄せられる相談の中でもトップクラスに多い案件です。しかし、結論から言うと、騒音を理由にした金銭請求は非常に難易度が高いです。
なぜ難しいのか?
騒音を出しているのはあくまで「隣人」であり、大家さんではありません。大家さんに責任を問うためには、「管理会社に通報したのに、注意喚起などの適切な対応を怠った」という債務不履行(環境調整義務違反)を証明しなければなりません。
また、騒音には「受忍限度(生活する上で我慢すべきレベル)」という考え方があります。子供の足音や生活音レベルでは、法的責任を問うことはほぼ不可能です。
戦うための唯一の方法
それでも返金(慰謝料や引越し費用)を勝ち取りたい場合は、徹底的な証拠が必要です。
- 騒音計での測定記録:いつ、何デシベルの音が発生したかのログ。
- 録音データ:どんな音か具体的にわかるもの。
- 管理会社への連絡履歴:メールで「〇月〇日に相談したが改善されない」という記録を残す。
これらを揃えた上で、「受忍限度を超える騒音を放置されたため、契約目的が達成できない」として、契約解除と損害賠償を請求する流れになりますが、基本的には弁護士案件レベルの紛争になることを覚悟する必要があります。
賃貸入居後の不具合で返金交渉する具体的手順
基礎知識が身についたところで、いよいよ実践編です。実際にどのように管理会社や大家さんにアプローチし、お金を取り戻すのか。その具体的なステップとテクニックを解説します。
仲介手数料の返還を成功させる判例のロジック

入居後の不具合とは少し視点が異なりますが、「入居時に支払った仲介手数料」を取り戻せる可能性があることをご存知でしょうか? これには「家賃の0.5ヶ月分+税」というキーワードが関わってきます。
法律(宅建業法)では、仲介会社が受け取れる報酬の上限は「貸主・借主あわせて家賃1ヶ月分」と決まっています。そして原則として、借主(あなた)から受け取れるのは「0.5ヶ月分」までとされています。ただし、「依頼者の承諾」があれば1ヶ月分まで受け取れるという例外規定があります。
ここで重要な裁判例(東京高裁 令和2年1月14日判決など)があります。 「契約の直前や契約当日に、仲介手数料が1ヶ月分であると説明しても、それは有効な承諾とは言えない」という趣旨の判決が出ているのです。
もしあなたが、物件案内の段階や申込みの段階で「仲介手数料は1ヶ月分です」という明確な説明を受けておらず、契約書にサインする段になって初めて知らされたのであれば、「承諾していないのに払いすぎた0.5ヶ月分」を不当利得として返還請求できる可能性が高いです。
これは物件の不具合に関係なく使える強力なロジックですので、初期費用を少しでも回収したい方は、契約時のやり取りを思い出してみてください。
入居時の清掃不備でクリーニング代を取り戻す
「入居したら部屋がホコリだらけだった」「お風呂にカビが残っていた」。これも非常によくあるトラブルです。多くの入居者は「クリーニング代を払ったのに!」と憤ります。
正しいアクションプラン
- 荷物を入れる前に撮影:家具を入れると「あなたの生活汚れ」と言われてしまいます。入居直後、何もない状態で汚れをスマホで撮影(日付入り)してください。
- 即時連絡して再清掃を要求:管理会社に連絡し、「契約時の状態(引渡義務)を満たしていないので、再度クリーニングしてください」と伝えます。
- 自分でやる場合の費用請求:「再清掃を待てないので自分で業者を呼ぶ、あるいは自分で掃除する」という場合は、その費用(業者の領収書や、自分で掃除した場合の時給換算相当額)を請求する旨を伝え、書面で合意を取りましょう。
「クリーニング代は返金しません」という特約が契約書にあっても、それは「退去時の話」であることが多いです。入居時の汚損は、貸主の債務不履行(不完全履行)ですので、堂々と是正や費用の請求を行ってください。
居住不能時のホテル代や引越し費用の請求
エアコン全停止による熱中症の危険や、床上浸水など、物理的にその部屋に住めない状態(居住不能)になった場合、避難先のホテル代や、やむを得ず退去する場合の引越し費用は請求できるのでしょうか?
ホテル代の請求
原則として、貸主の過失や不作為によって居住不能となった場合、必要最小限の実費(ビジネスホテル代など)は損害賠償として認められる傾向にあります。ただし、高級ホテルなどの過剰な費用は認められません。
家賃との関係
ホテルに避難している期間、あなたは元の部屋を使用できていません。したがって、その期間の元の部屋の家賃は100%減額(支払い免除)されるべきです。「ホテル代を出してもらう」か、「家賃を免除してもらい、浮いたお金でホテルに泊まる」か、どちらが得かを計算して交渉しましょう。両取りは難しいケースもあります。
引越し費用の請求
これはハードルが高いです。「エアコンが直らないから引っ越す!費用を出せ!」と言いたくなりますが、裁判所は簡単に引越し費用の賠償を認めません。認められるのは、「貸主が修繕義務を長期にわたって放棄し、借主が生活するために転居せざるを得なかった」というような極端なケースに限られます。
勝手に引っ越してから請求してもまず通りません。必ず事前に内容証明郵便などで「〇月〇日までに修繕されない場合は契約を解除し、転居費用の損害賠償を請求する」と通告するプロセスが必要です。
管理会社へ送る返金交渉のメール例文

交渉において「言った言わない」は命取りです。電話ではなく、必ずメールや問い合わせフォームで証拠を残してください。ここでは、そのまま使えるテンプレートを紹介します。
【例文】設備故障による賃料減額請求メール
件名:【重要】室内設備不具合のご報告および賃料減額請求について(〇〇マンション 101号室 氏名)
本文: 〇〇管理会社 ご担当者様
お世話になっております。101号室の熊坂です。 現在、室内のエアコンが故障しており、冷房が全く効かない状態が続いております(室温32度)。
つきましては、以下の2点について速やかなご対応をお願い申し上げます。
1. 最短日程での修理手配 2. 民法第611条および日管協ガイドラインに基づく、使用不能期間中の賃料減額
本件不具合により、通常の生活を送ることが困難な状況です。 修理完了後、不具合期間に応じた減額分を精算していただきたく存じます。 何卒よろしくお願いいたします。
ポイントは、感情的にならず、淡々と「民法611条」や「日管協ガイドライン」という単語を出すことです。これにより相手は「この入居者は知識がある、適当にあしらえない」と判断し、対応の優先順位を上げざるを得なくなります。
納得できない場合の供託やADRの活用法

もし管理会社が「減額なんて認めない」「嫌なら出て行け」といった不当な対応をしてきた場合、どうすればよいでしょうか。家賃を勝手に減らして振り込むと、「家賃滞納」として契約解除の口実にされるリスクがあります。
1. 供託(きょうたく)
相手が家賃の受け取りを拒否した場合や、減額金額で揉めている場合は、法務局に家賃を預ける「供託」という制度を使います。これをすれば、法律上は「家賃を払った」ことになり、滞納扱いを回避しつつ、交渉を続けることができます。
2. ADR(裁判外紛争解決手続)
弁護士を雇って裁判をすると、費用倒れになることが多いです(数万円の返金のために数十万円の弁護士費用がかかる)。そこで活用したいのがADRです。 国民生活センターや各都道府県の弁護士会が行っている紛争解決サービスで、数千円〜1万円程度の手数料で、弁護士などの専門家が仲介役となって話し合いをまとめてくれます。訴訟よりも遥かに手軽でスピーディーな解決手段です。
賃貸入居後の不具合で返金を勝ち取るまとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。賃貸入居後の不具合に関する返金請求について、法的な権利と具体的な戦術を解説してきました。
重要なポイントを振り返ります。
- 民法611条により、設備が使えない期間の家賃は「当然に減額」される。
- 日管協ガイドラインを基準にすれば、エアコン故障は賃料の10%程度の減額が目安。
- ホテル代や家財の損害は、別途請求や火災保険の活用を検討する。
- 交渉は全て記録に残し、感情論ではなく「条文」と「数値」で語る。
「たかが数千円のために面倒くさい」と思うかもしれません。しかし、声を上げなければ、その負担は全てあなたが背負うことになります。正当な権利を行使することは、決してクレーマー行為ではありません。この記事で得た知識を武器に、勇気を持って最初の一通のメールを送ってみてください。それが、快適な生活を取り戻すための第一歩になるはずです。
もちろん、個別の事情により判断が難しい場合もあります。最終的な判断に迷ったら、消費生活センター(局番なし188)や法テラスなどの専門機関に相談することをお勧めします。あなたの生活が一日も早く平穏に戻ることを、心から応援しています。
※本記事の情報は執筆時点(2025年6月)の法令・ガイドラインに基づいています。正確な情報は公式サイトをご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。