
こんにちは。賃貸トラブル解決ナビ、宅地建物取引士の熊坂です。
賃貸マンションで見知らぬ旅行者が頻繁に出入りするようになり、キャリーケースの音や深夜の騒音、ゴミ出しの乱れまで増えると、「隣の部屋が勝手に民泊をしているのでは?」と不安になりますよね。民泊禁止の賃貸でも無断で営業されるケースはあり、キーボックスの設置やAirbnbなどへの掲載、民泊の標識の有無が確認の手掛かりになります。
ただし、外国人や旅行者らしい人を見かけただけで違法民泊と決めつけるのは危険です。親族や友人の宿泊、短期滞在など別の事情も考えられます。大切なのは、違法民泊かどうかを自分で断定することではなく、客観的な事実を残し、管理会社への通報、保健所への相談、必要に応じた警察への相談へ順番に進めることです。
この記事では、賃貸で勝手に民泊が行われていると感じたときの見分け方から、無断転貸との関係、管理会社への伝え方、違法民泊の通報先まで整理します。直接注意してトラブルを大きくする前に、まず安全な進め方を確認しておきましょう。
- 違法民泊と合法的な民泊を見分けるポイント
- 賃貸で無断民泊を行う契約上の問題点
- 管理会社や保健所へ通報するときの手順
- 騒音や危険がある場合の警察への相談方法
賃貸で勝手に民泊されるのは違法?
まず確認したいのは、「民泊そのものが違法なのか」と「賃貸住宅を借主が勝手に民泊へ使うことが許されるのか」は別の問題だという点です。適法な民泊制度はありますが、賃貸借契約や管理規約で禁止されている物件を借主の判断だけで宿泊施設として使えるわけではありません。ここでは、合法・違法の境目と、住民側から確認できるサインを順番に見ていきます。
違法民泊と合法民泊の違い
民泊には、住宅宿泊事業法に基づく届出を行う方法、旅館業法の許可を受ける方法、地域によっては国家戦略特区の制度を利用する方法などがあります。そのため、マンションの一室に旅行者が宿泊しているという事実だけで、すぐに違法民泊とは判断できません。住宅宿泊事業として適法に運営されている場合には、届出住宅ごとに公衆の見やすい場所へ標識を掲示することが求められています。
一方、賃貸マンションの借主が貸主の承諾を得ず、宿泊料を受け取って不特定多数へ繰り返し部屋を提供しているなら、賃貸借契約上の問題と行政法上の問題を分けて考える必要があります。旅館業法上の許可も住宅宿泊事業の届出もないまま宿泊営業を行えば、無許可営業として扱われる可能性があります。現行の旅館業法では、無許可で旅館業を営んだ場合について六月以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金、またはその併科が定められています。
住民側で重要なのは、違法性を自分で確定させることではありません。「旅行者らしい人が何度も入れ替わる」「鍵の受け渡しらしい動きがある」「標識が見当たらない」など、確認できた事実を管理会社や行政へ伝えることが大切です。
賃貸の相談では、最初から「違法民泊です」と結論を置くより、「いつから、どんな人が、どの程度の頻度で出入りしているか」を整理することをおすすめしています。事実を積み上げた方が管理会社も調査しやすく、誤認による近隣トラブルも防ぎやすいですね。制度や罰則は改正される可能性があるため、正確な情報は観光庁や自治体などの公式サイトをご確認ください。
民泊禁止の賃貸でも営業できる?
結論からいうと、住宅宿泊事業の届出を出せる制度があるからといって、賃貸借契約で民泊が禁止されている部屋を借主が自由に営業できるわけではありません。賃貸物件では、法律上の制度だけでなく、貸主との契約内容を守る必要があります。居住用の賃貸借契約では、使用目的を住居に限定し、転貸や宿泊事業への利用を禁止する条項が置かれていることが一般的です。
さらに分譲マンションでは、部屋の所有者と借主の賃貸借契約だけでなく、マンション全体の管理規約も関係します。管理規約で住宅宿泊事業を禁止している場合、区分所有者が勝手に認めれば済むとは限りません。つまり、民泊を適法に行うには、行政上の要件と物件側のルールの両方を確認する必要があります。
実際の管理現場では、「住宅宿泊事業の届出番号があるから問題ない」と説明する借主と、「賃貸借契約では民泊禁止だ」とする貸主の認識がぶつかることがあります。こうした場面では、届出の有無と賃貸借契約違反の有無は分けて確認します。届出があることは、貸主が無断転貸や用途変更まで承諾したことを当然に意味するものではありません。
住民が契約書を入手できない部屋について、民泊禁止条項の有無を外から断定することはできません。疑わしい場合は管理会社へ「この建物では民泊利用が認められているのか」を確認し、調査を依頼するのが安全です。
また、自治体によって住宅宿泊事業を実施できる区域や期間に独自の制限が設けられている場合もあります。全国一律の制度だけで判断せず、最終的には所在地を管轄する自治体の公式情報を確認してください。
無断転貸は契約解除の対象になる?
民法612条では、賃借人は賃貸人の承諾を得なければ賃借物を転貸できず、これに違反して第三者に使用・収益させた場合、賃貸人は契約を解除できると定められています。借りた部屋を宿泊客へ繰り返し有償提供する行為は、無断転貸や契約上の用途違反が問題になる典型的な場面です。ただし、「一度でも他人を泊めたら必ず即日退去」という単純な話ではありません。
賃貸借契約の解除では、契約違反の内容や継続性、貸主と借主の信頼関係がどの程度損なわれたかが問題になることがあります。実務では、反復して宿泊客を入れている、管理会社からの警告後も営業を続ける、騒音やゴミなど他の入居者への被害が出ている、事実を隠して営業している、といった事情が重なるほど貸主側は厳しい対応を検討しやすくなります。
賃貸管理では、管理会社がいきなり解除通知だけを出すより、まず契約内容を確認し、出入りや掲載情報を調査し、契約者へ事実確認を行い、必要なら書面で是正を求める流れになることが多いです。住民からの通報が一件だけなら、誤認の可能性もあるためですね。逆に、複数住民から同じ部屋について苦情があり、予約サイトの掲載内容とも一致する場合は、調査の優先度が一気に上がります。
無断民泊の契約解除は、契約書の条項、営業実態、警告後の対応など個別事情で判断が変わります。住民が退去を強制したり、宿泊客を追い返したりする権限はありません。
貸主側で契約解除や損害賠償まで検討する場合は、証拠の残し方や通知方法が重要です。最終的な判断は弁護士などの専門家にご相談ください。
宅建士が見る民泊の見分け方
無断民泊を見分けるときは、一つの特徴だけで決めつけず、複数のサインが同じ部屋に集中しているかを見るのがポイントです。特に分かりやすいのは、短期間で人が何度も入れ替わることです。同じ部屋へ毎週のようにキャリーケースを持ったグループが到着し、数日後には別のグループへ替わる状態が続けば、普通の来客とは少し様子が違います。
次に確認したいのが、エントランスでの動きです。オートロックの操作方法が分からずスマートフォンを見ながら立ち止まる、建物名や部屋番号を何度も確認する、住民の後ろについて入館しようとする、といった行動が繰り返される場合は短期宿泊者の可能性があります。また、深夜のチェックイン、早朝のチェックアウト、大型スーツケースを引く音が周期的に発生することも一つの材料です。
ゴミ置き場も意外と情報が出やすい場所です。収集曜日と関係なく旅行中に出たような大量の容器やペットボトルが捨てられる、分別されないゴミが急に増える、スーツケースが放置される、といった変化が出ることがあります。ゴミ問題そのものへの対処は、賃貸のゴミ置き場が汚いときの管理会社への改善依頼でも詳しく整理しています。
私なら「人の出入り」「鍵の受け渡し」「騒音」「ゴミ」「予約サイト」「標識」の六つを別々に確認します。二つ、三つと情報が重なるほど、管理会社が事実確認へ動きやすくなります。
ただし、見た目や国籍を根拠に民泊と判断しないでください。外国人居住者の家族や友人が訪ねているだけのケースも当然あります。観察するのは人の属性ではなく、短期間での入れ替わりや宿泊営業らしい客観的な行動です。
キーボックスは民泊のサイン?
暗証番号式のキーボックスは、家主不在型の民泊でセルフチェックインに使われることがあるため、無断民泊を疑うきっかけにはなります。ドアノブだけでなく、ガスメーター周辺の配管、共用廊下の手すり、フェンスなどに突然取り付けられるケースがあります。旅行者らしい人がスマートフォンを見ながら番号を入力し、鍵を取り出して同じ部屋へ入る様子が繰り返されるなら、管理会社へ伝える価値のある情報です。
ただし、キーボックスがあるだけで民泊と断定はできません。訪問介護、清掃業者、工事業者、家族間の鍵共有、空室管理など別の用途で使われることもあります。そのため、「キーボックスがあるから違法です」と通報するより、「○月○日ごろから○階共用廊下の手すりにキーボックスがあり、週末ごとに別の旅行者らしい方が操作して○号室へ入っています」と事実を組み合わせて伝える方が適切です。
ここで注意したいのが、勝手にキーボックスを外したり、暗証番号を試したり、中の鍵を取り出したりしないことです。共用部に無断設置された物であっても、住民が独断で撤去すると所有物をめぐる別のトラブルになる可能性があります。写真を撮る場合も、通常利用できる共用部から設置状況を記録する程度にとどめ、他人の部屋へ近づいて内部を撮影するような行為は避けましょう。
証拠集めのために危険な行動をする必要はありません。キーボックスの場所、確認日時、利用していた人の人数、入った部屋が分かる範囲でメモし、管理会社に現地確認を依頼してください。
共用部への物品設置自体が管理規約や使用細則に反する場合もあるため、民泊と確定できなくても管理会社が確認する理由にはなります。
民泊の標識とAirbnbを確認する
住宅宿泊事業法に基づいて民泊を行う住宅では、届出住宅ごとに公衆の見やすい場所へ所定の標識を掲示する義務があります。ですから、旅行者が頻繁に出入りしている部屋について、玄関付近などに標識があるかを通常の共用部から確認することは、一つの判断材料になります。ただし、標識が見当たらないことだけで即座に無許可と断定するのではなく、管理会社や自治体に確認してください。
Airbnbなどの民泊仲介サイトで周辺を検索する方法もあります。地図上の位置は防犯上正確な住所が表示されないこともありますが、室内写真、窓から見える景色、ベランダ形状、建物の外観、最寄り駅までの説明などを組み合わせると、同じマンションと思われる掲載が見つかることがあります。該当ページを見つけた場合は、URL、掲載名、ホスト名、写真、宿泊可能人数などをスクリーンショットで残しておくと管理会社へ説明しやすくなります。
ただし、予約を入れて部屋番号を突き止める、ホストへ別人を装って質問する、宿泊者を尾行する、といった過度な調査はおすすめしません。住民がすべきなのは捜査ではなく、管理会社や行政が確認するための入口を作ることです。掲載写真と建物の特徴が似ている程度でも、「このページが該当する可能性があります」と情報提供すれば十分です。
Airbnb側でも、近隣住民がパーティーや騒音などの問題を報告できる近隣コミュニティサポート窓口が用意されています。掲載ページまで特定できている場合は、管理会社や行政への相談と並行して利用を検討できます。
なお、合法・違法の判断には届出だけでなく、旅館業法の許可や自治体独自の制度が関わることがあります。検索結果だけで断定せず、所在地の自治体へ確認するのが確実です。
賃貸で勝手に民泊された時の対処法

民泊らしいサインが重なってきたら、次は「誰に、どの順番で伝えるか」が重要です。基本は、危険がなければ証拠を整理して管理会社へ連絡し、違法営業の疑いが強ければ自治体や保健所にも相談します。暴力、器物損壊、侵入など緊急性がある場合は管理会社の返事を待たず警察へ連絡してください。
民泊トラブルは証拠を記録する
管理会社や行政へ相談するときに一番役立つのは、感想ではなく時系列の記録です。「最近、外国人が多くて怖い」「たぶん民泊だと思う」という伝え方だけでは、管理側はどの部屋をいつ確認すればよいか判断できません。反対に、「8月20日23時ごろ、キャリーケースを持った4人が○号室へ入った」「8月23日午前7時に別の3人が退出した」「8月24日深夜1時から約40分、大人数の話し声が続いた」と具体化すると、状況が一気に伝わりやすくなります。
記録しておきたいのは、発生日と時間、疑わしい部屋番号、人数、出入りの様子、騒音の内容、ゴミの状態、キーボックスなど共用部の変化、予約サイトの掲載情報です。写真や動画は、共用部など自分が通常利用できる場所から、必要な範囲で記録してください。他人の室内をのぞき込んだり、宿泊者の顔を執拗に撮影したり、SNSへ公開したりする必要はありません。
騒音がある場合は、発生時間と継続時間を残すだけでも意味があります。スマートフォンの録音は補助資料になりますが、音量や距離を正確に再現できるとは限らないため、録音だけで結論を出さない方がいいですね。騒音相談の伝え方や記録方法は、騒音を管理会社へ伝える言い方と解決手順でも詳しく解説しています。
証拠は「相手を追い詰めるため」ではなく、「管理会社が調査しやすくするため」に集めます。日付順のメモに写真や掲載ページを添えるだけでも十分実務的です。
車両番号などを記録する場合も、必要性の範囲を超えて公開・拡散しないでください。安全を害してまで証拠を増やす必要はなく、危険を感じる状況なら記録より通報を優先しましょう。
管理会社への民泊通報の伝え方
賃貸マンションで無断民泊が疑われるなら、まず管理会社へ連絡するのが基本です。管理会社は、貸主から委託を受けている範囲で、賃貸借契約の用途、転貸禁止条項、入居者情報、共用部の防犯カメラなど、一般の住民では確認できない情報を調べられます。連絡先が分からない場合は、賃貸借契約書、重要事項説明書、エントランスの掲示、入居時の案内書類を確認してください。
伝える内容は、「民泊をやっているので追い出してください」と結論から迫るより、物件名、自分の部屋番号、疑わしい部屋、発生時期、具体的な出入り、生活への影響、確認してほしい事項の順に整理する方が効果的です。例えば、「ここ2週間、○号室に毎回違う旅行者風のグループが出入りし、深夜の話し声とスーツケース音が続いています。共用部にはキーボックスもあります。建物で民泊が認められているか、契約者へ事実確認をお願いします」という形です。
実務で重視したいのは、電話だけで終わらせないことです。最初に電話で状況を伝えても構いませんが、その後メールや問い合わせフォームで同じ内容を送り、日時と相談内容を残しておくと、担当者の引き継ぎや再相談がしやすくなります。管理会社の担当者も、大家さんへ報告するときに文章と写真がある方が動きやすいです。
それでも返答がない場合は、いつまでに現地確認する予定かを具体的に尋ね、担当者だけで止まっているようなら責任者への共有を依頼します。管理会社への伝え方全般は、管理会社へのクレームの入れ方完全ガイドも参考にしてください。
契約解除や強制退去を決めるのは住民ではありません。管理会社にも委託範囲があり、最終判断を貸主が行うケースがあります。まずは事実確認と是正を求める形で相談しましょう。
違法民泊は保健所へ通報できる
管理会社への相談だけではなく、「宿泊営業そのものが無許可・無届ではないか」という疑いがある場合は、物件所在地を管轄する自治体の民泊担当窓口や保健所への相談が選択肢になります。国土交通省が2026年に公表したマンション向け資料でも、違法民泊に関するトラブルがある場合、マンション所在地の自治体担当窓口である保健所が主な通報先として案内されています。
通報するときは、物件名と所在地、分かれば部屋番号、旅行者の出入りが確認された日時、キーボックスや標識の状況、予約サイトのURL、騒音やゴミなど具体的な被害を整理して伝えます。「違法だから処分してください」と断定するのではなく、「無届民泊の可能性があるため、届出や許可の有無を確認してほしい」と相談する方が適切です。自治体側が必要に応じて制度上の確認や調査を行います。
どの窓口へ連絡すればよいか分からない場合は、民泊制度コールセンターも利用できます。全国共通ナビダイヤルは0570-041-389で、観光庁の案内では平日9時から17時まで、住宅宿泊事業法や届出、民泊制度に関する質問・意見・苦情を受け付けています。ただし、個別事案についてどのような行政対応が行われるかは自治体の判断になります。
管理会社は契約違反、保健所・自治体は行政上の許可や届出というように、確認する立場が違います。無断民泊が疑われるときは、状況に応じて両方へ情報提供するのが実務的です。
自治体によって担当部署名や受付方法、条例による営業制限が異なります。電話番号や受付時間も変更される可能性があるため、正確な情報は物件所在地の自治体と観光庁の公式サイトをご確認ください。
民泊の騒音は警察に相談できる
民泊と思われる部屋から騒音が出ている場合、「警察へ連絡していいのか」と迷う方は多いと思います。ポイントは、民泊の違法性を警察に判定してもらうことより、今起きている危険や迷惑行為の緊急性で連絡先を分けることです。事件や事故など緊急の対応が必要な場合は110番、今すぐの危険はないものの生活の安全に関する継続的な困りごとなら最寄りの警察署や警察相談専用電話#9110が案内されています。
例えば、深夜に大人数が廊下で怒鳴り合っている、暴力が起きている、ドアや共用設備を壊している、住民へ威嚇している、不審者が無理にオートロック内へ入ろうとしているなど、現在進行形で危険を感じる状況なら、管理会社の営業時間を待つ必要はありません。自分で止めに行かず、安全な場所から110番してください。
一方、「毎週末になると旅行者らしい人が出入りして深夜に騒ぐ」「不特定多数が共連れで入館していて不安」といった継続的な相談で、緊急性が低い場合には#9110や最寄りの警察署への相談が考えられます。相談履歴が残ることで、後に同様のトラブルが繰り返された際に状況を説明しやすくなることもあります。
相手の部屋へ直接注意しに行くことはおすすめしません。宿泊者は一時滞在で、どのような相手か分からないケースがあります。騒音を止めたい気持ちが強くても、安全確保を最優先にしてください。
警察が対応する内容は個別の状況によって異なります。単なる生活音と犯罪・危険行為では扱いも変わるため、「何時から、何人程度で、どのような音や行為が続いているか」を具体的に伝えるとよいでしょう。
Airbnbへの通報で掲載停止を求める
疑わしい部屋がAirbnbに掲載されていることまで確認できた場合は、管理会社や自治体への相談に加えて、Airbnbの近隣コミュニティサポート窓口へ問題を報告する方法があります。Airbnbは、近隣で起きているパーティーや騒音、その他の近隣トラブルを報告できる窓口を案内しており、急を要する近隣問題では電話連絡のリクエストも用意しています。
報告時には、分かる範囲で該当リスティング、住所や建物の情報、発生した問題、日時、騒音や迷惑行為の内容を整理します。ただし、プラットフォームへ通報すれば必ず掲載が削除される、あるいはそれだけで無断民泊が止まると考えるのは早いです。掲載停止の判断はAirbnb側の規約や調査に基づいて行われますし、別の予約サイトを使っている可能性もあります。
そのため、私はAirbnbへの通報を単独の解決策ではなく、複数ある対応ルートの一つとして考えます。賃貸借契約違反の確認は管理会社や貸主、許可・届出に関する確認は自治体、緊急の危険行為は警察、掲載上の問題はプラットフォームというように役割を分けると整理しやすいです。
予約サイトの掲載を保存するときは、スクリーンショットだけでなくURLと確認日時も残しておきましょう。掲載内容は変更・削除されることがあるため、管理会社へ相談した時点の情報が分かるようにしておくと説明しやすくなります。
また、ホストへ住民が直接「違法だ」とメッセージを送って対立する必要はありません。相手に自分の部屋番号や生活パターンを知られるリスクもあります。近隣住民向けの正式な窓口を使い、安全な形で問題を伝えることをおすすめします。
賃貸で勝手に民泊された時のまとめ
賃貸マンションで勝手に民泊が行われているのではと感じたら、最初にすることは相手へ直接抗議することではありません。見知らぬ旅行者が短期間で入れ替わる、キャリーケースを持った人が頻繁に出入りする、キーボックスが共用部に設置された、深夜の騒音やゴミ出しルール違反が増えた、Airbnbなどに似た部屋が掲載されている、といった事実を冷静に整理してください。
そのうえで、まず管理会社へ賃貸借契約や建物ルールの確認を依頼します。無断転貸や用途違反が疑われる場合は、管理会社や貸主が契約者への事実確認、警告、必要に応じた契約上の対応を検討します。違法民泊の疑いが強い場合は、所在地を管轄する自治体や保健所へ相談し、届出・許可の有無を確認してもらう流れです。危険な騒ぎや暴力、器物損壊などが今起きている場合は110番、緊急ではない警察相談は#9110を使い分けましょう。
賃貸で勝手に民泊されている疑いがあるときの基本は、「断定しない・直接対決しない・記録を残す・窓口を使い分ける」の四つです。この順番を守るだけでも、余計なトラブルを増やさず解決へ進みやすくなります。
特に管理会社へ伝える際は、「外国人がいる」「怪しい」といった主観ではなく、日時、人数、部屋、騒音、鍵、ゴミ、掲載情報など具体的な事実に変換することが大切です。現場では、感情の強さよりも、担当者がそのまま貸主や社内へ報告できる情報がそろっている方が対応につながりやすいですね。
民泊に関する法律、自治体条例、賃貸借契約、管理規約は物件ごとに条件が異なります。この記事で紹介した罰則や窓口も制度改正で変更される可能性がありますので、正確な情報は観光庁、自治体、警察などの公式サイトをご確認ください。契約解除、損害賠償、差止めなど法的措置を検討する場合は、最終的な判断は弁護士などの専門家にご相談ください。