
こんにちは。賃貸トラブル解決ナビ、宅地建物取引士の熊坂です。
賃貸の入居日が近づくと、鍵はいつ受け取れるのか、荷物を入れる前に何を確認すればよいのか、意外と迷うことが多いですよね。引っ越し業者の手配は済んでいても、賃貸の入居前にやることまでは整理できていない方も少なくありません。
特に大切なのが、入居日の鍵受け取り、部屋の傷チェック、入居時チェックリスト、入居前の掃除です。家具を置いてしまってからでは確認しにくい場所もあるため、順番を間違えると後から面倒になりがちです。
また、入居日の持ち物だけでなく、バルサンなどの害虫対策、100均グッズを使った防汚対策、電気・水道などのライフライン、ガス開栓の立ち会い、引っ越し挨拶まで考える必要があります。
この記事では、賃貸の入居日にやることを、実際に動きやすい順番で整理します。入居初日に全部完璧に終わらせる必要はありません。家具搬入前でなければできないことを最優先にして、後からできる手続きは分けて考えるのがコツですね。
- 入居日当日にやることの正しい順番
- 退去時に困らない傷チェックと証拠の残し方
- 掃除・害虫・防汚対策を行うタイミング
- ライフラインやガス、挨拶などの入居手続き
賃貸の入居日にやることを順番に確認
入居日は、とにかく荷物を運び込めばよい日ではありません。むしろ宅建士の立場から優先してほしいのは、家具や家電を置く前にしかできない確認です。鍵を受け取ったら、採寸、傷や汚れの確認、設備の動作確認を先に済ませ、その後に掃除や搬入へ進むと失敗しにくくなります。
入居日の鍵受け取りは何時から?
賃貸の鍵を受け取れるタイミングは、一般的には賃貸借契約の開始日以降です。実際に引っ越しをする日と、契約上の入居開始日は必ずしも同じではありません。たとえば契約開始日が4月1日で、引っ越し業者が来るのが4月3日なら、家賃は原則として4月1日から発生します。
鍵については、契約開始日の当日に不動産会社や管理会社の店舗で受け取るケースが多いですね。管理会社によっては前日の営業時間内に渡してくれることもありますが、前日に受け取れたからといって契約開始日前から自由に部屋を使用できるとは限りません。
実務では「カーテンを測りたいので前日に入室したい」「引っ越し前に掃除だけしたい」という相談もあります。ただ、契約開始前は貸主側の管理期間であり、火災保険などの補償開始日ともずれる可能性があります。そのため、勝手に荷物を搬入するのは避け、必ず管理会社へ確認してください。
鍵を受け取った日時と、部屋を使用してよい日時は同じとは限りません。早めに鍵を受け取れた場合でも、契約開始前の入室や荷物搬入が認められているか確認しましょう。
また、鍵を受け取る場所も確認しておきたいところです。仲介会社で契約したからといって、その店舗で鍵を渡されるとは限りません。管理会社、現地のキーボックス、貸主指定場所などになる場合もあります。引っ越し当日に「店舗へ行ったら鍵がない」ということがないよう、前日までに受け取り場所、時間、必要な本人確認書類を確認しておくと安心ですね。
契約開始日と実際の引っ越し日をずらす場合は二重家賃にも注意してください。旧居の解約日、新居の賃料発生日、引っ越し日を並べて確認すると、無駄な期間を把握しやすくなります。
入居前にやることと当日の持ち物
入居日当日は段ボールの中に必要な物を入れてしまうと、いざ使いたいときに見つかりません。そのため、私は入居初日に使う物だけを一つのバッグに分けて持っていくことをおすすめしています。
最低限用意したいのは、鍵、スマートフォン、充電器、賃貸借契約書、重要事項説明書、筆記用具、メジャー、カッター、雑巾、ウェットシート、ゴミ袋、トイレットペーパーです。特にトイレットペーパーは忘れやすいのですが、引っ越し開始直後から必要になる代表格ですね。
| 種類 | 持っていきたい物 |
|---|---|
| 契約・確認 | 鍵、契約書、重要事項説明書、身分証明書 |
| 記録 | スマートフォン、充電器、筆記用具 |
| 採寸 | メジャー、間取り図 |
| 作業 | カッター、ハサミ、養生テープ |
| 清掃 | 雑巾、ウェットシート、洗剤、ゴミ袋 |
| 生活 | トイレットペーパー、タオル、飲み物 |
入居前にできることとしては、電気・水道・ガス・インターネットの申し込み、家具家電の配送日調整、引っ越し業者への駐車場所の連絡などがあります。オートロック付きマンションなら、引っ越しトラックの停車位置や養生について管理会社への申請が必要な場合もあります。
また、意外と忘れやすいのが照明です。物件によっては居室の照明器具が付いていません。夕方に入居して初めて気づくと、暗い部屋で荷解きをすることになります。契約書の設備表や内見時の写真で確認しておきましょう。
当日の持ち物は「契約確認」「写真撮影」「採寸」「掃除」「トイレ」の5つを基準に考えると、忘れ物を減らせます。
家具搬入前に室内を採寸する
冷蔵庫や洗濯機、カーテン、ベッドなどの採寸は、できれば家具搬入前に済ませましょう。部屋が空の状態なら、壁から壁までの寸法だけでなく、玄関から設置場所までの搬入経路も確認できます。
特に注意したいのが洗濯機です。防水パンの幅と奥行きだけ測って購入すると、蛇口の位置が低くて洗濯機本体に当たることがあります。ドラム式洗濯機なら、本体の奥行きに加え、扉を開けるスペースや廊下を通過できるかも確認してください。
冷蔵庫も設置場所の幅だけでは不十分です。メーカーが指定する放熱スペース、コンセント位置、扉を開いたときの壁との干渉まで見ておきましょう。右開き・左開きを間違えると、毎日の使い勝手がかなり悪くなります。
カーテンは窓枠そのものではなく、基本的にはカーテンレールを基準に測ります。掃き出し窓ならランナーから床付近まで、腰高窓ならランナーから窓枠下まで測ります。既製品を購入する場合は、商品ごとの採寸方法も確認してください。
大型家具では玄関ドアの開口幅、廊下、曲がり角、居室ドアの幅も重要です。玄関には入ったのに廊下のクランクを曲がれず、家具を返品することもあり得ます。
私なら採寸した数字をスマートフォンの写真へ直接書き込んで残します。「冷蔵庫 幅780mm」など、設置場所の写真と寸法をセットにすると、家具店で確認するときにかなり楽です。
コンセント、テレビ端子、エアコン用コンセントの位置も撮影しておきましょう。家具を置いてからコンセントが隠れたと気づくのは、賃貸の入居時によくある失敗です。採寸は単に家具が入るかではなく、実際に生活できる状態で配置できるかまで考えるのがポイントですね。
傷チェックは写真と動画で残す
賃貸の入居日に私が最も重要だと考えているのが、家具搬入前の傷チェックです。退去時の原状回復で揉めやすいのは、傷そのものよりもその傷がいつ付いたのか分からないケースだからです。
民法第621条では、賃借人が賃借物を受け取った後に生じた損傷について原状回復義務を負うことを原則としつつ、通常の使用や収益による損耗、経年変化は対象外とされています。退去時に「この傷は入居前からあった」と説明するためにも、入居時の記録は非常に重要です。
まず、玄関から順番に各部屋を動画で一周撮影してください。その後、傷や汚れを見つけたら写真を撮ります。写真は傷だけをアップで撮るのではなく、部屋のどこにある傷なのか分かる写真と、傷の状態が分かる接写の2種類を残すのがおすすめです。
チェックする場所は、床、壁紙、巾木、建具、ドア、収納、窓、網戸、水回りです。壁紙のめくれ、床のへこみ、クロスの黒ずみ、建具の欠けなどは特に確認しておきましょう。
さらに重要なのが設備です。蛇口から実際に水を出し、シンク下や洗面台下から漏れていないか確認します。エアコンを動かせる季節なら運転して、異音や異臭がないか見てください。入居直後から設備がおかしい場合は、自己判断で修理せず管理会社へ連絡するのが基本です。
写真を撮る目的は、きれいな記念写真を残すことではなく、入居時点の状態を証明できるようにすることです。傷の位置、程度、撮影時期が分かる状態で保存しましょう。
撮影データは退去まで数年間保存する可能性があります。スマートフォンだけに入れておくと機種変更や故障で消えることがあるため、クラウドなどにもバックアップしておくと安心です。
入居時チェックリストを提出する
管理会社から入居時チェックリストや現況確認書を渡された場合は、必ず期限内に提出してください。名称は会社によって異なり、「入居時室内確認表」「現況確認票」「室内チェックシート」などと呼ばれることもあります。
この書類は、入居時点ですでに存在していた傷や汚れ、不具合を管理会社と共有するためのものです。退去時の原状回復トラブルを避けるという意味では、写真や動画と同じくらい大切な資料になります。
提出期限は管理会社ごとに異なります。1週間程度のこともあれば、10日程度など独自の期限が設定されていることもありますので、契約書類や案内に記載された期限を優先してください。日数はあくまで一般的な目安です。
チェックリストには、「洋室東側の壁紙に約3cmのめくれ」「リビング入口付近の床にへこみ」など、できるだけ位置と状態を具体的に書きます。「傷あり」だけでは、退去時にどの傷を指しているのか分かりません。
私が重要だと考えているのは、提出した内容を自分の手元にも残すことです。紙を管理会社へ渡してしまうと、自分が何を書いたのか分からなくなることがあります。提出前にスマートフォンで表裏を撮影しておきましょう。
可能なら、管理会社指定の方法に従って写真も共有してください。メールや専用フォームなら送信履歴が残ります。電話だけで「壁に傷がありました」と伝えるより、後から確認しやすくなります。
チェックリストを提出したからといって、将来発生するすべての修繕費が免除されるわけではありません。ただ、入居前から存在した傷について借主負担を求められたとき、重要な説明材料になります。
書類が用意されていない物件でも、気になる傷を放置しないでください。写真を撮り、管理会社へメールなど記録が残る方法で知らせておくと安心ですね。
入居前の掃除はどこまで必要?
賃貸物件は通常、前の入居者が退去した後にハウスクリーニングが行われていることが多いです。ただし、清掃後から実際の入居まで時間が空けば、床や棚にホコリがたまることがあります。内見や工事で人が出入りしている場合もありますので、入居前に軽く掃除しておくと気持ちよく生活を始められます。
最初に窓を開けて換気し、棚や収納内部など高い場所から拭いていきます。その後、床を掃除機やフローリングワイパーで仕上げると効率的です。キッチン、洗面台、トイレ、浴室も軽く水拭きしておきましょう。
ただし、入居直後に強い汚れやカビを発見した場合は、いきなり掃除して消してしまわない方がよい場合があります。まず写真を撮り、入居前から存在していた状態を記録してから掃除してください。
特に浴室のカビ、レンジフードの大量の油汚れ、排水口の詰まり、便器の強い汚れなどが残っている場合は、通常想定される清掃状態ではない可能性があります。程度によっては管理会社へ相談しましょう。
逆に、軽いホコリ程度であれば自分で清掃した方が早いこともあります。この辺りは「どこまで管理会社に言うのか」と迷うところですが、実務では設備の使用に支障があるか、建材へのダメージにつながる状態かを一つの基準にすると判断しやすいですね。
入居時の掃除は、新品の状態にするためではありません。家具を置く前に、普段手が届きにくくなる場所をきれいにしておく作業だと考えるとよいでしょう。
なお、退去時の原状回復では、通常損耗や経年変化と、借主の手入れ不足による汚損を分けて考える必要があります。契約によっては退去時のハウスクリーニング費用を借主が負担する特約が設けられている場合もあるため、入居時のうちに契約書を確認しておくことをおすすめします。
賃貸の入居日にやることと手続きの注意点

部屋の採寸と傷チェックが終わったら、次は快適に暮らすための準備です。害虫対策、防汚対策、ライフライン、ガス、近隣への挨拶を順番に進めます。ただし、物件設備を加工したり分解したりすると、かえって故障や修繕費の原因になることがあります。賃貸では元に戻せる方法を選ぶことが基本ですね。
バルサンは荷物搬入前に使う
害虫対策としてくん煙剤や霧タイプの殺虫剤を使用するなら、家具や段ボールを入れる前が作業しやすいタイミングです。荷物がない状態なら薬剤が行き渡りやすく、使用後の換気や掃除もしやすくなります。
ただし、バルサンなどの商品を使えばよいと単純に考えるのは危険です。マンションやアパートには火災報知器、ガス警報器、管理室と連動した設備などが設置されている場合があります。煙や霧で警報が作動すると、管理会社や警備会社まで巻き込むことがあります。
使用前には、商品の説明書と物件の注意事項を必ず確認してください。必要に応じて管理会社へ「くん煙剤を使っても問題ないですか」と確認するのが確実です。報知器への対応方法は製品によって異なるため、自己流で設備を取り外すのは避けましょう。
火災報知器やガス警報器を勝手に取り外したままにするのは危険です。使用する殺虫剤の説明書と建物のルールに従い、作業後は必ず元の安全な状態へ戻してください。
エアコンのドレンホースからの虫の侵入が気になる場合は、防虫キャップを使う方法もあります。ただし、排水を妨げるほど目の細かい物や、汚れがたまりやすい設置方法には注意が必要です。ドレンホースはエアコン内部の結露水を屋外へ排出する重要な部分なので、詰まると室内機から水漏れする原因になります。
使用するなら屋外側のホース先端を確認し、定期的にゴミやスライムが詰まっていないか確認してください。「一度付ければ終わり」ではありません。
小さな子どもやペットがいる家庭では、薬剤の使用可否や換気時間についても商品表示を必ず確認してください。健康や安全に関わる部分ですので、正確な使用方法は製品メーカーの公式サイトをご確認ください。
100均グッズで防汚・防カビ対策
入居直後は、まだ汚れていないからこそ防汚対策をしやすいタイミングです。100円ショップやホームセンターには便利な商品が多くありますが、賃貸では「汚れを防ぐこと」と同じくらい設備を傷めず、退去時に元へ戻せることが大切です。
使いやすいのは、換気扇用フィルター、排水口ネット、椅子脚用フェルトなどです。レンジフードの外側に適合するフィルターを設置すれば油汚れが内部へ入りにくくなり、定期的な交換もしやすくなります。
浴室ドアや洗面台周辺では、防カビをうたうマスキングテープを使う方法もあります。ただし、長期間貼りっぱなしにすると粘着剤が残ったり、素材によっては変色したりする可能性があります。目立たない場所で試し、汚れる前に定期的に貼り替えることが前提です。
| 場所 | 使いやすい対策 | 注意点 |
|---|---|---|
| 換気扇 | ホコリ取りフィルター | 吸気を妨げない物を選ぶ |
| 排水口 | 排水口ネット | こまめに交換する |
| 家具の脚 | フェルト | 砂をかんだら交換する |
| 水回り | 防カビテープ | 長期間放置しない |
冷蔵庫の下に保護マットを敷く方も増えています。床材との相性によっては、長期間敷いたことで変色や湿気が生じる可能性もあるため、商品の注意事項を確認してください。
また、コンロ周辺をすべてテープで密閉するのもおすすめできません。排熱や換気のために必要な部分まで塞ぐと設備トラブルにつながるためです。
賃貸の防汚対策は「貼れば貼るほど安心」ではありません。設備本来の通気・排水・排熱を妨げないことを最優先にしてください。
こうした対策は、退去費用を必ず安くするものではありません。ただ、普段の掃除を楽にして、油汚れやカビなどを長期間放置するリスクを下げる意味では有効ですね。
ライフラインの開通を確認する
電気、水道、ガスは、できれば引っ越し当日までに利用開始の申し込みを済ませておきましょう。特に真夏や真冬は、エアコンが使えない状態で荷解きをするのはかなり大変です。
電気についてはスマートメーターの普及により、申し込みを済ませれば入居日から使用できる物件が多くなっています。ただし、契約手続きが完了していなければ使えないこともありますので、「ブレーカーを上げれば必ず使える」とは考えない方が安全です。
水道も自治体や物件によって手続きが異なります。元栓の操作だけで水が出ても、利用開始の届け出が不要という意味ではありません。引っ越し先を管轄する水道事業者へ申し込みを済ませてください。
入居したら、まずキッチン、洗面台、浴室で水を流します。このとき単に水が出るかを見るだけではなく、排水の流れと水漏れもチェックしましょう。シンク下の収納を開け、排水管周辺に水滴がないかを見るだけでも早期発見につながります。
入居直後に水漏れや設備異常を見つけた場合は、自分で分解修理せず管理会社へ連絡してください。放置して被害が広がると、原因とは別に被害拡大について責任を問われる可能性があります。
インターネットも忘れやすいライフラインです。「インターネット対応」と書かれた物件でも、室内まで回線が開通しているとは限りません。工事が必要なら一定期間待つケースもありますので、在宅勤務をする方は特に早めに確認しておきたいですね。
ライフラインの契約先、料金プラン、利用開始方法は地域や物件によって異なります。正確な情報は各電力会社、水道事業者、ガス会社などの公式サイトをご確認ください。
ガス開栓の立ち会いを忘れない
電気や水道と違い、ガスは使用開始時に立ち会いが必要になるケースが一般的です。ガス会社の担当者が室内へ入り、ガス漏れの検査やガス機器の点火確認、安全に使用するための説明などを行います。
ただし、必ず契約者本人でなければ立ち会えないとは限りません。ガス会社によっては、条件を満たせば家族や大家、管理人など代理人の立ち会いを認めていることがあります。
そのため、「仕事で本人が立ち会えないからガスを開けられない」と決めつける必要はありません。契約するガス会社へ事前に確認してください。
予約については早めがおすすめです。特に3月から4月の引っ越しシーズンや月末は希望日時が埋まりやすく、引っ越し当日に予約しようとしても希望時間に対応してもらえないことがあります。
入居初日の夜にお風呂へ入りたいなら、ガスの開栓予約は引っ越し業者の予約と同じように、早めに済ませておくと安心です。
また、自分で持ち込むガスコンロを使用する場合は、都市ガス用かLPガス用かを必ず確認してください。ガス種に適合しない機器は使用できません。ホースの種類や接続方法についても、自己流ではなくガス会社や機器メーカーの案内に従いましょう。
ガスは火災や一酸化炭素中毒など重大事故につながる設備です。この記事だけを基準に判断せず、正確な情報は契約するガス会社の公式サイトをご確認ください。不明点があればガス会社へ直接相談してください。
引っ越し挨拶は必要?範囲と手土産
賃貸への引っ越し挨拶は、現在では必ずしも全員が行うものではありません。物件の種類や家族構成、防犯面を考えて判断するのが現実的です。
特にファミリー世帯では、可能であれば両隣や下階へ挨拶しておくメリットがあります。小さな子どもがいる家庭では、どうしても足音や生活音が出ることがあります。入居時に一言「子どもがおりますので、気になることがあればお声掛けください」と伝えておくだけでも、最初から相手に悪い印象を持たれにくくなります。
一方、一人暮らしの場合、特に防犯面に不安がある方は無理に対面で挨拶する必要はありません。居住者の性別や生活時間を周囲へ知らせることにもなるため、安全を優先してください。
挨拶する範囲に絶対的なルールはありませんが、マンションやアパートなら両隣、生活音が伝わりやすい下階を中心に考えます。戸建て賃貸の場合は、道路やゴミ集積所を共有する近隣住宅へ挨拶しておくと、地域のルールも聞きやすくなります。
手土産を渡すなら、一般的には高価な物である必要はありません。数百円から1,000円程度を一つの目安に、タオル、ラップ、地域指定のゴミ袋、個包装のお菓子など、相手が気を遣わず消費できる物が無難です。金額はあくまで一般的な目安であり、地域の慣習によって異なります。
挨拶で大切なのは品物よりも、「今日から住む人がどんな人なのか」を安心できる範囲で伝えることです。長話をせず、短い挨拶で十分ですね。
何度訪ねても不在の場合は、無理に何度も訪問する必要はありません。また、防犯や衛生上の理由から、食品を無人の玄関先へ長時間置くのは避けた方がよいでしょう。管理会社から入居者同士の訪問を控えるよう案内されている物件では、そのルールを優先してください。
まとめ:賃貸の入居日にやること一覧
賃貸の入居日にやることは多いですが、全部を同時に片付けようとすると疲れてしまいます。優先順位をつけるなら、家具搬入前にしかできないことから先に行うのが基本です。
鍵を受け取ったら、まず契約した部屋と鍵に間違いがないことを確認し、室内へ入ります。その後、部屋全体を動画で撮影し、床や壁、建具、水回りなどの傷や汚れを写真に残します。入居時チェックリストがある場合は、期限を確認して忘れず提出しましょう。
傷チェックが終わったら、洗濯機置き場、冷蔵庫置き場、カーテンレール、玄関や廊下などを採寸します。その後、必要であれば害虫対策や掃除、防汚対策を行い、家具や家電を搬入する流れが効率的です。
- 鍵を受け取る
- 部屋全体を写真・動画で記録する
- 傷や設備不良をチェックする
- 入居時チェックリストへ記入する
- 家具家電の設置場所と搬入経路を採寸する
- 掃除や害虫対策を行う
- 必要な防汚対策を行う
- 電気・水道の使用状況を確認する
- ガス開栓の立ち会いをする
- 必要に応じて近隣へ挨拶する
中でも忘れないでほしいのが、家具搬入前の現況確認です。家具を置いた後では隠れてしまう床や壁の傷もありますし、数年後の退去時に「最初からあった」と口頭で説明するだけでは確認が難しくなります。
入居時と退去時の物件状況をチェックリストや写真で残しておくことは、原状回復をめぐるトラブルを防ぐうえで有効です。写真は撮って終わりにせず、退去する日まで確認できる場所へ保存しておきましょう。
また、設備に不具合を見つけたときは、勝手に修理する前に管理会社へ相談してください。備え付け設備なのか残置物なのか、故障原因が経年劣化なのか入居者側の使用によるものなのかによって、費用負担の考え方が変わります。
賃貸契約の内容や管理会社ごとのルールは物件によって異なります。この記事で紹介した日数や費用などの数値はあくまで一般的な目安として考え、正確な情報は契約書、重要事項説明書、管理会社、各事業者の公式サイトをご確認ください。
原状回復費用や契約上の責任などについて判断が難しい場合は、宅地建物取引士、弁護士、消費生活センターなど、内容に応じた専門家へ相談することも検討してください。入居日は忙しい一日ですが、最初にきちんと記録と確認をしておけば、その後の賃貸生活もかなり安心してスタートできますよ。