
こんにちは。賃貸トラブル解決ナビ、宅地建物取引士の熊坂です。
賃貸の網戸が破れたとき、張り替え費用の負担は大家と入居者のどちらになるのか、迷いますよね。網戸の修理は数千円で済むこともありますが、勝手に直してよいのか、経年劣化なら大家負担になるのか、消耗品扱いなら入居者負担なのか、管理会社へどう連絡すべきかなど、判断材料が意外と多い設備です。
また、入居直後から破れていた場合、子どもやペットが破った場合、台風や強風で外れた場合では結論が変わります。退去費用として請求される可能性や、自分で網戸を張り替える際の注意点、業者へ依頼した場合の費用相場も気になるところかなと思います。
この記事では、賃貸の網戸張り替えに関する費用負担を、破損原因、契約書の記載、原状回復の考え方に分けて解説します。管理会社との話し合いで確認すべきことも具体的にまとめていますので、連絡する前の整理に役立ててください。
- 網戸の張り替えが大家負担になる条件
- 入居者負担と判断されやすい破損原因
- 張り替え費用の相場と業者選びの注意点
- 管理会社への連絡方法と証拠の残し方
賃貸の網戸張り替え費用負担の判断
賃貸の網戸が破れたときは、単に「網戸は消耗品だから入居者負担」「設備だから大家負担」と決めつけるのではなく、破れた原因と契約内容を分けて確認することが大切です。実務では、同じ見た目の破れでも、長年の紫外線劣化なのか、物をぶつけたのか、入居前から傷んでいたのかによって扱いが変わります。まずは負担区分の基本から整理しましょう。
経年劣化による破れは大家負担
網戸のネットは、日光や風雨にさらされ続けるため、時間の経過とともに硬くなり、弾力を失っていきます。触れただけで裂けた、網の端が押さえゴムから抜けた、全体が白っぽくなっているといった状態なら、経年劣化の可能性が高いですね。このような自然な劣化まで入居者の責任とするのは、原状回復の一般的な考え方にはなじみません。
国土交通省の原状回復をめぐるトラブルとガイドラインでは、通常の使用による損耗や時間の経過による劣化は、原則として貸主側が負担するという考え方が示されています。網戸についても、破損していないものを次の入居者募集のために張り替える費用は、貸主側の負担と整理されています。したがって、普通に使っていて自然に破れたと説明できる場合は、まず大家または管理会社へ修繕を相談するのが基本です。
ただし、網戸には壁紙のように一律の明確な耐用年数が決められているわけではありません。入居年数だけで結論を出すのではなく、網全体の変色、硬化、たるみ、周囲の裂け方などを見て判断します。私が現場で確認するときも、一点だけ鋭く穴が開いているのか、網全体がもろくなっているのかは重要な判断材料です。前者は衝突や引っかき、後者は劣化と考えやすいですね。
経年劣化が疑われるサイン
- 網全体が白っぽく変色している
- 軽く触れただけで裂けるほど硬化している
- 複数箇所で網がほつれている
- 押さえゴム周辺から自然に抜けている
自然劣化だと思っても、先に自費で交換してしまうと、あとから費用を請求しにくくなることがあります。破れた状態を写真に残し、管理会社へ原因と修理方法を確認してから進めてください。
入居者の過失による破損は借主負担
家具を運ぶ際に網戸へぶつけた、掃除中に強く押した、子どもがおもちゃを当てた、ペットが爪を立てたといった事情がある場合は、入居者の故意や過失による破損と判断されやすく、張り替え費用は借主負担になる可能性が高いです。網戸を開閉するときに無理な力をかけ、枠まで曲げてしまった場合も同様ですね。
このとき重要なのは、借主負担になるとしても、大家側が自由に高額な修理を選べるわけではないという点です。原状回復は、基本的に壊した部分を元の機能に戻すための必要かつ相当な範囲で行うものです。標準的なネットが張られていたのに、管理会社が高額な防犯用ステンレスネットへ変更し、その全額を入居者へ請求するような扱いは、費用の妥当性を確認する余地があります。
実務では「破ったのは入居者なので全額負担です」とだけ説明され、網の種類や作業費の内訳が示されないことがあります。私が相談を受けた案件でも、網戸一枚の張り替えに加えて、出張費、取り外し費、処分費が重なり、本人が想像していた金額を大きく超えたことで揉めたケースがありました。借主に原因がある場合でも、見積書の内訳や施工範囲を確認することは失礼ではありません。
また、破損を隠して退去日まで放置するのはおすすめしません。穴が広がったり、網戸が外れて枠やサッシを傷つけたりすると、当初より修繕範囲が大きくなる可能性があります。破損に気づいた時点で管理会社へ報告し、自費負担になるとしても、指定業者を利用するのか、自分で業者を選べるのかを確認しましょう。
借主負担でも勝手な修理は避ける
費用を自分で払う場合でも、網戸は貸主の所有物です。色、網目、材質が既存品と違うと、再施工を求められることがあります。
網戸が消耗品扱いになるケース
賃貸借契約書や入居時の説明書に、網戸、電球、パッキン、障子紙などを消耗品として扱い、交換費用を入居者負担とする記載があることがあります。この場合、入居中の網戸張り替えは借主が負担する運用になりやすいです。ただし、「消耗品と書いてあるから、どんな破れ方でも必ず借主負担」とまでは言い切れません。
まず確認したいのは、網戸のネットだけが消耗品なのか、網戸枠や戸車まで含めて借主負担なのかという範囲です。ネットの張り替えは比較的軽微な修繕ですが、枠のゆがみ、レールの不具合、戸車の破損まで生じている場合は、建物設備の修繕として扱われることがあります。契約書の短い一文だけで、すべてを入居者負担に広げるのは慎重に考えるべきですね。
さらに、入居した時点ですでに網が硬化しており、数日から数週間で破れたような場合は、消耗品特約があっても管理会社へ相談する価値があります。新しい入居者が通常の開閉をしただけで破れたなら、引き渡し時の状態に問題があった可能性があるからです。私が管理実務でよく見るのは、前の入居者の退去後に網戸を点検せず、見た目だけで「問題なし」と判断されていたケースです。網は見た目が保たれていても、紫外線でかなり弱っていることがあります。
消耗品扱いの有無は、契約書、重要事項説明書、入居のしおり、修繕負担表など複数の書類に分かれて記載されていることもあります。書類同士で内容が異なる場合や、説明を受けた記憶がない場合は、管理会社へ根拠となる条項を示してもらいましょう。貸主と借主の基本的な区分は、借主と貸主の修繕費負担を解説した記事でも整理しています。
消耗品特約がある場合でも、経年劣化、入居時からの不具合、設備本体の故障まで一律に借主負担と決まるわけではありません。破損原因と特約の対象範囲を分けて確認しましょう。
契約書の小修繕特約を確認する
網戸の張り替え費用を判断するときは、賃貸借契約書の「修繕」「小修繕」「借主の費用負担」「特約」の欄を確認してください。小修繕特約とは、通常なら貸主が行う修繕のうち、比較的軽微で費用も小さいものを借主負担とする取り決めです。網戸の張り替え、障子やふすまの張り替え、水道パッキンの交換などが例として並んでいることがあります。
ただし、特約があるだけで無条件に有効になるわけではありません。どの修繕を、どのような場合に、どの程度の費用で負担するのかが明確であること、借主が内容を認識して合意していることなどが重要です。「室内の修理はすべて借主負担」といった広すぎる表現では、具体的な負担範囲をめぐって争いになりやすいですね。
現場では、管理会社の担当者も契約書の細かな特約をすぐ把握していないことがあります。電話で「網戸は入居者負担です」と言われても、念のため「契約書のどの条項に基づく判断でしょうか」と落ち着いて確認してください。そこで条項が示されれば、その文章を読み、経年劣化まで含むのか、入居者が破損した場合だけなのかを整理できます。
また、小修繕特約により借主負担となっていても、貸主や管理会社の指定業者しか使えない場合があります。反対に、借主が自分でホームセンターへ持ち込んで張り替えられる契約もあります。費用負担と施工権限は別の問題です。「自分が払うのだから、自由に直してよい」と考えないことが大切です。
確認する際は、網戸の写真とともに、破れた日時、きっかけ、現在の使用状況をメールで伝え、「費用負担」「施工業者」「網の仕様」「支払い方法」の四点を質問すると話が早いです。口頭だけで済ませるより、後日の認識違いを防ぎやすくなります。
入居直後の破れは管理会社へ連絡
入居直後に網戸の破れやほつれを見つけた場合は、自分で触り続けたり張り替えたりせず、できるだけ早く管理会社へ連絡してください。引き渡し前から存在した不具合であれば、原則として入居者の責任ではありません。入居時チェックシートの提出期限が定められている物件では、その期限内に写真付きで報告することが特に重要です。
よくあるのは、内見時にはカーテンが閉まっていた、夜に入居して網戸を確認できなかった、掃除のため初めて窓を開けたら破れに気づいたというケースです。こうした事情は珍しくありません。発見日と発見時の状況をそのまま伝えれば大丈夫です。破れが小さいうちに報告すれば、「入居後に広げたのではないか」という疑念も生じにくくなります。
私が担当した案件では、入居から一か月ほど経って申告された網戸の穴について、貸主側が当初は入居者の過失を疑っていました。しかし、入居日に撮影されたベランダ全体の写真を拡大すると、同じ位置に小さな裂け目が確認できたため、貸主負担で張り替えることになりました。写真は網戸だけを撮るのではなく、部屋全体や窓周辺も残しておくと、撮影時期や場所を説明しやすいですね。
管理会社へ伝える内容
- 入居日と網戸の破れを見つけた日
- 破れている窓の位置とおおよその大きさ
- 通常の開閉で気づいたこと
- 写真を添付できること
- 修理まで網戸を使用してよいか
連絡後、管理会社が現地確認を行うこともあれば、写真だけで業者を手配することもあります。返事がない場合は、メールを送った日を記録し、数営業日後に再度確認してください。破れた網戸が落下しそうなときや、外れかけて危険なときは、その旨を最優先で伝えましょう。
台風や強風による網戸破損の負担
台風や突風で網戸が外れたり、飛来物が当たって破れたりした場合は、入居者に落ち度がなければ貸主側の修繕となる可能性があります。自然災害による損傷は、通常、入居者の故意や過失とは異なるためです。ただし、強風が予想されているのに網戸を外側へ大きく開いたままにした、以前から外れかけていたのに報告せず使用を続けたといった事情があると、管理上の過失を指摘されることがあります。
台風後に網戸が壊れたら、まず周囲の安全を確認してください。高層階や共用廊下側で網戸が外れかけている場合、自分で無理に回収しようとすると落下事故につながります。窓を閉めて近づかず、管理会社の緊急連絡先へ連絡しましょう。ベランダ内に落ちている場合も、割れた部品や曲がった金属枠でけがをする可能性があるため、軍手などを使い、安全を確保できる範囲で対応してください。
費用負担を整理するためには、気象状況と破損状況の記録が役立ちます。破損直後の写真、外れた網戸の位置、飛来物の有無、管理会社へ連絡した時刻を残してください。近隣住戸でも同様の被害が出ているなら、建物側の問題や自然災害による損傷だと説明しやすくなります。
実務では、台風が原因と考えられても、修理業者が混み合い、対応まで日数がかかることがあります。虫の侵入を防ぐために市販の補修シールを使いたくなるかもしれませんが、粘着剤が網や枠に残ることがあります。応急処置をする前に管理会社へ確認し、許可を得た方法だけを使うのが安全です。
火災保険で必ず直せるとは限りません
補償対象や免責金額は契約によって異なります。建物設備である網戸は貸主側の保険対象となる場合もあるため、入居者が自己判断で保険申請する前に管理会社へ確認してください。
賃貸の網戸張り替え費用負担と対処法

費用負担の方向性が分かったら、次は実際の金額、業者の選び方、退去時の精算、証拠の残し方を確認します。網戸張り替えは比較的小さな修繕ですが、出張費や高機能ネットへの変更、枠ごとの交換が加わると金額が上がります。管理会社との認識違いを防ぐためにも、作業前の確認を丁寧に進めましょう。
網戸張り替え費用の相場
網戸の張り替えを業者へ依頼する場合、一般的なネットで一枚あたりおおむね二千円から八千円程度が目安です。小窓、腰高窓、掃き出し窓で料金が異なり、網目の細かい防虫ネット、ペット対応の強化ネット、花粉対策ネットなどを選ぶと高くなる傾向があります。これはあくまで一般的な目安で、地域、業者、サイズ、施工条件によって変わります。
| 内容 | 一般的な目安 | 確認点 |
|---|---|---|
| 小窓の張り替え | 約2,000円~4,000円 | 最低注文枚数や持込条件 |
| 腰高窓の張り替え | 約3,000円~6,000円 | 網の種類と押さえゴム代 |
| 掃き出し窓の張り替え | 約4,000円~8,000円 | 出張費や脱着費 |
| 枠ごとの交換 | 約10,000円以上 | 採寸、製作、戸車調整 |
見積もりでは、張り替え単価だけでなく、出張費、運搬費、網戸の脱着費、押さえゴム交換費、古い網の処分費、駐車料金などを確認してください。広告では一枚二千円と表示されていても、出張費を加えると総額が一万円近くなることもあります。反対に、複数枚をまとめて依頼すると一枚あたりの単価が下がる業者もあります。
借主負担で修理する場合でも、最初から最安業者を探すのではなく、管理会社へ指定業者の有無を確認しましょう。貸主が建物全体で網の色やメッシュ数を統一していることがあるためです。黒い網をグレーへ変える、標準ネットをペット用へ変えるといった変更は、外観や通気性に影響します。
また、網だけでなく枠が曲がっている場合は、張り替えだけでは直りません。戸車の調整、枠の交換、レール修正が必要になり、費用が大きく変わります。見積もりを取るときは、破れた網の写真だけでなく、網戸全体、枠の四隅、戸車付近も撮影して送ると、追加費用の可能性を事前に説明してもらいやすいです。
自分で張り替える前に許可を取る
網戸の張り替えは、ネット、押さえゴム、専用ローラー、カッターがあればDIYできる作業です。材料費だけなら業者依頼より抑えやすく、ホームセンターで道具をそろえられます。しかし、賃貸物件では技術的にできるかどうかより、貸主の所有物を変更してよいかが先に問題になります。
管理会社へ連絡せずに張り替えると、網の色が違う、網目が粗い、張りが弱い、押さえゴムの太さが合っていないなどの理由で、退去時に再施工を求められることがあります。特に、ベランダ側の網戸は建物の外観に影響するため、同じ建物で仕様を統一しているケースがあります。費用を節約するつもりが、結果として二重払いになるのは避けたいですね。
許可を取る際は、「自分で張り替えてよいか」だけでなく、使用するネットの色、メッシュ数、押さえゴムの規格、作業後の写真提出の要否まで確認してください。メールで回答をもらえば、退去時に「無断で交換した」と言われるリスクを減らせます。賃貸DIYの許容範囲は、賃貸DIYと原状回復の境界を解説した記事でも詳しくまとめています。
作業するときは、網戸を無理に持ち上げて外さないことも重要です。外れ止めが付いているタイプは、ネジを緩める順序を誤ると枠や部品を傷めます。また、掃き出し窓の大きな網戸は風にあおられやすく、一人で持つと落下や転倒の危険があります。高層階では特に、室内側へ移動させてから作業してください。
小さな穴なら補修シールで済む場合もありますが、粘着跡が残る商品もあります。補修でよいか、全面張り替えが必要かについても管理会社へ確認すると安心です。
DIYに自信がない場合は、無理をせず業者へ依頼しましょう。網の張りが均一でないと開閉時にたわみ、再び破れやすくなります。最終的な費用だけでなく、仕上がりと退去時の説明のしやすさも含めて判断してください。
業者依頼の料金と出張費
業者へ依頼する場合、料金表に書かれた張り替え単価だけで判断しないことが大切です。網戸一枚の作業でも、出張費、基本作業料、網戸の取り外しと取り付け、運搬費、押さえゴム、廃材処分費などが別途加算されることがあります。電話では安く聞こえても、現地で追加料金が発生するケースはあります。
見積もりを依頼するときは、窓の種類、網戸の縦横サイズ、枚数、網の色、希望するメッシュ数、枠のゆがみの有無を伝えてください。そのうえで「総額はいくらになりそうか」「現地で追加になる項目は何か」「キャンセル料はあるか」を確認します。賃貸物件であることも伝え、管理会社指定の仕様に合わせられるか聞いておくと安心です。
管理会社が手配する業者は、地域の最安値とは限りません。しかし、建物の仕様を把握している、鍵や立ち入りの調整がしやすい、仕上がりに問題があった場合に管理会社が窓口になるといった利点があります。私の感覚では、数千円の差だけであれば指定業者を使ったほうが、その後の説明はかなり楽です。一方、明らかに相場とかけ離れた見積もりなら、別業者の見積もりを提示して相談する方法もあります。
借主が費用を負担する場合は、支払い先も確認してください。管理会社へ支払うのか、業者へ直接支払うのか、家賃と一緒に請求されるのかで、領収書の発行元が変わります。後日、同じ費用を退去精算で再度請求されないよう、領収書、見積書、施工後写真を保管してください。
即決を求める業者には注意
現地で高額な枠交換を勧められた場合は、その場で決めず、管理会社へ確認してください。網の破れだけなら、枠ごとの交換が不要なこともあります。
料金は地域や時期によって変動します。繁忙期や台風後は出張費が上がったり、予約が取りにくくなったりすることもあります。正確な料金は業者やホームセンターの公式案内を確認し、複数の条件をそろえて比較してください。
退去時に請求される原状回復費用
網戸の破れを直さないまま退去すると、原状回復費用として張り替え代を請求されることがあります。借主の故意や過失で破った場合は、請求自体に合理性があることが多いです。一方、自然な劣化や入居前からの破損であれば、借主負担とする根拠を確認する必要があります。
退去精算書に「網戸張り替え一式」とだけ書かれている場合は、対象の窓、枚数、単価、出張費の有無を確認してください。複数枚をまとめて交換していても、借主が破損したのが一枚だけなら、他の網戸まで当然に負担するとは限りません。国土交通省のガイドラインでも、原状回復は可能な限り損傷部分に限定し、必要最低限の施工単位で考えることが基本です。
また、貸主が次の入居者を募集するため、見栄えを整える目的で古い網戸を一斉に張り替える場合、その全額を退去者へ転嫁するのは適切とは言いにくいですね。借主の過失による一枚の破損と、貸主側の更新工事を分けて考える必要があります。退去費用全体の見方は、退去費用の相場と原状回復費用を解説した記事も参考にしてください。
私が相談を受ける中では、金額そのものより「説明がないこと」で感情的な対立になるケースが多いです。数千円の張り替えでも、入居者が経年劣化だと思っているところへ一方的な請求書が届くと、不信感が強くなります。反対に、破損写真と契約条項、見積もりが示されれば、納得して支払う方も少なくありません。
退去精算で確認する項目
- どの網戸を張り替えたのか
- 破損原因をどう判断したのか
- 契約書のどの条項が根拠か
- 単価と追加費用の内訳
- 入居時写真との比較があるか
請求に納得できない場合は、まず管理会社へ書面で説明を求めましょう。いきなり支払いを拒否するのではなく、争点を「原因」「契約条項」「金額」に分けると話し合いやすくなります。解決が難しいときは、消費生活センター、宅建協会の相談窓口、弁護士などへの相談も検討してください。
網戸の破損写真と連絡記録を残す
網戸の費用負担で揉めないために最も効果的なのは、破損状況と連絡内容を記録しておくことです。写真は破れた部分のアップだけでなく、網戸全体、窓の位置、枠やレールの状態も撮影してください。破れが経年劣化によるものか、物が当たったような一点破損かを判断する材料になります。
撮影するときは、室内側と屋外側の両方から撮り、定規や硬貨など大きさが分かるものを添えると伝わりやすいです。網全体の変色やたるみがある場合は、日中の明るい時間に撮影しましょう。枠が曲がっている場合は、網の張り替えだけでは済まないため、四隅や戸車周辺も必要です。
管理会社への連絡は、電話だけで終わらせず、メールや問い合わせフォームでも残してください。電話で話した場合は、「本日のお電話で、管理会社指定業者が確認するとのご案内をいただきました」など、要点をメールで送ると記録になります。担当者名、連絡日時、回答内容もメモしておきましょう。
実務では担当者の異動や退職があり、数か月後には口頭のやり取りを確認できないことがあります。入居中に自費で張り替えた場合も、許可メール、施工前後の写真、領収書を退去まで保管してください。これがあれば、退去立ち会いで古い破損を再度指摘されたときに説明できます。
連絡文の例
「本日、リビング側の網戸に約五センチの破れを確認しました。網全体が硬く、通常の開閉時に裂けたように見えます。現状写真を添付しますので、費用負担と修理方法、業者手配の要否をご確認ください。」
大切なのは、原因を断定しすぎないことです。「絶対に経年劣化です」と主張するより、「通常の開閉時に気づいた」「網全体が硬化している」と事実を伝えたほうが、管理会社も判断しやすくなります。感情的な表現を避け、確認したい項目を具体的に書くことが、早い解決につながります。
賃貸の網戸張り替え費用負担まとめ
賃貸の網戸張り替え費用負担は、破れた原因、契約書の特約、網戸の状態を総合して判断します。紫外線や風雨による自然な経年劣化、入居前からの破損、貸主側の設備不良であれば、大家負担となる可能性があります。一方、家具をぶつけた、ペットが引っかいた、無理な開閉で破ったなど、入居者の故意や過失が原因なら借主負担になりやすいです。
契約書に網戸を消耗品とする記載や小修繕特約がある場合でも、破損原因を確認せずに一律で判断するのは避けましょう。ネットだけの交換なのか、枠や戸車を含む設備修理なのかによっても扱いは異なります。電話で「入居者負担です」と言われたときは、契約書の根拠条項と見積もりの内訳を確認してください。
自分で張り替える場合も、事前の許可が必要です。網の色やメッシュ数が違えば、退去時に再施工を求められる可能性があります。管理会社指定業者の有無、使用する材料、費用の支払先を確認し、許可内容はメールで残しておくと安心です。
迷ったときの最初の行動は、破損箇所を撮影し、管理会社へ事実を報告することです。破損原因を隠したり、無断で修理したりすると、小さな問題が費用トラブルへ発展することがあります。落下しそうな網戸は安全を優先し、触らずに緊急連絡先へ相談してください。
網戸が破れたときの手順
- 網戸全体と破損部分を写真で残す
- 契約書と修繕負担表を確認する
- 管理会社へ原因と状態を連絡する
- 費用負担と修理方法の回答をもらう
- 許可後に指定された方法で修理する
費用相場や法的な扱いは、契約内容、地域、物件の状態によって異なります。この記事の金額はあくまで一般的な目安です。正確な情報は国土交通省、契約している管理会社、施工業者などの公式案内をご確認ください。高額請求や契約解釈をめぐって解決が難しい場合は、最終的な判断を弁護士、消費生活センター、宅建協会などの専門家にご相談ください。