
こんにちは。賃貸トラブル解決ナビ、宅地建物取引士の熊坂です。
1Kの部屋を退去するとき、原状回復費用の相場はいくらなのか、退去費用が高すぎないか、敷金なしだと追加請求されるのか、不安になりますよね。特にハウスクリーニング代、クロス張替え費用、フローリング補修費用、エアコン洗浄費、鍵交換費用、国土交通省ガイドライン、通常損耗、経年劣化、借主負担、管理会社との立会い、高額請求への対応は、検索する方がよく悩むポイントです。
この記事では、1K賃貸の退去前後で確認したい費用の目安と、請求明細の見方をできるだけ実務寄りに整理します。数字は地域や契約内容、部屋の状態で変わるため一般的な目安ですが、どこを見れば納得できる請求か判断しやすくなるはずです。
- 1Kの原状回復費用と退去費用の目安
- 敷金あり敷金なしで変わる支払い方
- クロスや床など借主負担の判断基準
- 高額請求を受けたときの確認と交渉方法
原状回復費用の相場1Kの基準
まずは、1Kの原状回復費用がどのくらいの範囲に収まりやすいのかを整理します。ここで大切なのは、退去費用イコールすべて借主負担ではないという点です。クリーニング特約、故意過失による傷、通常損耗、経年劣化を分けて見るだけで、請求書の印象はかなり変わります。
退去費用はいくらが目安

1Kの退去費用は、通常使用の範囲で暮らしていた場合、おおむね3万円から6万円前後に収まるケースが多いです。敷金なし物件や退去時クリーニング特約がある物件では、ハウスクリーニング代、エアコン洗浄費、鍵交換費用などが積み上がり、5万円前後になることも珍しくありません。ただし、タバコのヤニ、ペット臭、壁の穴、床の深い傷、水回りのひどいカビなどがあると、1Kでも10万円を超える可能性があります。
現場で相談を受けていると、読者の方が一番不安に感じるのは、金額そのものよりもなぜその金額になったのかが分からない請求です。たとえば、退去精算費用一式として6万円と書かれているだけでは、クリーニングなのか、修繕なのか、特約なのか判断できません。私が見る限り、明細が粗い請求ほどトラブルになりやすいですね。
1Kの退去費用は、部屋を普通に使っていたなら数万円台がひとつの目安です。ただし、契約書の特約、居住年数、損耗の原因、地域の工事単価によって変わります。
注意したいのは、相場より高いからすぐ違法、安いから必ず妥当、とは言い切れないことです。費用の妥当性は、請求項目ごとに判断します。クリーニング代は契約特約、クロスは汚れの原因と経過年数、床は傷の程度、設備は耐用年数というように、見るべきポイントが違います。最終的な判断は、契約書、重要事項説明書、退去時の写真、請求明細をそろえたうえで、専門家に相談するのが安全です。
1Kの退去費用平均
1Kの退去費用平均をざっくり考えるなら、通常の単身用物件では4万円から6万円前後をひとつの目安にしてよいかなと思います。内訳として多いのは、ハウスクリーニング代が2万5,000円から4万円前後、エアコン洗浄費が8,000円から1万5,000円前後、クロスや床の軽微な補修が1万円から3万円前後です。もちろん、これはあくまで一般的な目安であり、都市部、地方、築年数、専有面積、管理会社の契約単価によって変動します。
| 項目 | 1Kの目安 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| ハウスクリーニング | 25,000円〜40,000円前後 | 契約書に金額や負担特約があるか |
| エアコン洗浄 | 8,000円〜15,000円前後 | 通常清掃か分解洗浄か |
| クロス補修 | 一部で10,000円台〜 | 汚れの原因と経過年数 |
| 床補修 | 軽微なら10,000円〜30,000円前後 | 部分補修か全面張替えか |
宅建士として退去精算を見ていると、1Kで揉める典型は、クリーニング代だけなら納得できるけれど、そこにクロス全面張替えや床全面補修が加わって一気に高額になるパターンです。特に単身者向けの1Kは部屋が狭いぶん、壁紙の一面単位や床の一部補修でも、総額に占める割合が大きく見えます。
平均を見るときは、金額だけでなく自分の部屋に本当にその工事が必要だったのかを確認してください。たとえば、家具を置いていた跡や日焼けのような自然な変化まで請求されているなら、通常損耗や経年劣化として貸主負担の可能性があります。反対に、引っ越し作業で壁に穴を開けた、結露を放置してカビを広げた、といった事情があれば借主負担になりやすいです。
敷金あり敷金なしの差
敷金ありと敷金なしでは、原状回復費用の考え方そのものよりも、退去時のお金の動きが大きく変わります。敷金ありの物件では、退去費用が敷金から差し引かれ、残額が返金される流れが基本です。たとえば敷金6万円を預けていて、退去費用が4万円なら、差額の2万円が返るイメージですね。反対に、退去費用が8万円なら、敷金6万円を充当して不足分2万円を追加で支払う形になります。
敷金なし物件では、預けているお金がないため、退去後に請求された金額をそのまま支払うことになります。そのため、同じ5万円の退去費用でも、敷金ありなら返金額が減っただけに感じ、敷金なしなら突然5万円を請求されたように感じやすいです。心理的な負担が違うわけですね。
敷金なし物件は初期費用を抑えやすい一方で、退去時にクリーニング代や修繕費が直接請求されやすい構造です。入居時に安かった分、退去時の特約を必ず確認しておきましょう。
特に注意したいのは、敷金なし物件に退去時クリーニング費用、エアコン清掃費、短期解約違約金などが重なっているケースです。初期費用の広告では安く見えても、契約書を読むと退去時に一定額を負担する内容になっていることがあります。違法とは限りませんが、金額が具体的に書かれているか、説明を受けているか、通常の範囲を大きく超えていないかは確認が必要です。
敷金なし物件の退去費用については、関連する考え方を退去費用の相場は?敷金なしの場合はどうなる?でも詳しく整理しています。敷金がない契約の方は、あわせて確認しておくと請求の見方が分かりやすいかなと思います。
ハウスクリーニング代
1Kの原状回復費用で最もよく出てくるのが、ハウスクリーニング代です。単身用の1Kなら、一般的には2万5,000円から4万円前後が目安になりやすいです。キッチン、浴室、トイレ、洗面、床、窓、建具などをまとめて清掃する費用として請求されることが多く、管理会社によっては退去時清掃費や室内清掃費という名称で記載されます。
ここで大切なのは、ハウスクリーニング代が必ず借主負担になるわけではないという点です。国土交通省の原状回復に関する考え方では、次の入居者を募集するための通常の清掃は、基本的には貸主側の管理コストと考えられます。ただし、契約書に退去時クリーニング費用を借主が負担する特約があり、金額や内容が具体的に示されていて、借主が認識できる形になっていれば、借主負担として扱われるケースもあります。
契約書に金額のないクリーニング特約や、退去後に初めて高額な清掃費を知らされるケースは、確認が必要です。支払う前に、契約書の該当箇所と請求明細を照らし合わせてください。
私が担当した相談でも、1Kでハウスクリーニング代が5万円を超えていて、内訳を聞くとエアコン洗浄、浴室特殊清掃、キッチン油汚れ除去が全部含まれていた、ということがありました。項目が分かれれば納得できる部分もありますが、単に清掃費一式と書かれているだけでは判断しづらいです。
ハウスクリーニング代を見るときは、契約書の特約、金額、清掃範囲、通常清掃なのか特殊清掃なのかを確認しましょう。特に喫煙、ペット、ゴミ放置、油汚れの放置がある場合は、通常のクリーニングでは落ちないとして追加費用が発生しやすいです。反対に、普通に生活して退去前に簡単な掃除もしているなら、過度な特殊清掃費まで負担する必要があるのかは慎重に見るべきですね。
クロス張替え費用
クロス張替え費用は、1Kの退去費用を大きく左右する項目です。壁紙は面積が広いため、単価はそれほど高く見えなくても、全面張替えになると一気に金額が上がります。一般的には、クロス張替えは1平方メートルあたり1,000円から1,500円前後が目安になることが多いですが、地域や施工会社、材料、管理会社の手配単価で変わります。
問題は、どこまで借主負担になるかです。通常の日焼け、家具や家電の設置による電気焼け、冷蔵庫裏の黒ずみ程度は、普通に生活していれば起こる変化として貸主負担になりやすいです。一方で、タバコのヤニ、落書き、ペットによるひっかき傷、画びょうを超える大きな穴、飲み物をこぼして放置したシミなどは、借主負担と判断されやすいですね。
クロスは全面張替えを請求されても、借主の過失がある部分だけを負担すればよいケースがあります。部屋全体の張替え費用が当然に借主負担になるわけではありません。
さらに重要なのが経過年数です。クロスは時間の経過とともに価値が下がるものとして扱われます。長く住んでいるほど、借主が負担すべき残存価値は小さくなる考え方です。たとえば、入居から6年以上経っているクロスについて、材料価値を大きく見て請求されている場合は、明細の根拠を確認した方がよいです。
現場では、管理会社が部屋の見た目をそろえるために一面ではなく全面張替えをしたい、という事情もあります。ただ、見た目をそろえるための施工費まで借主に全額請求できるかは別問題です。私が退去精算を見るときも、まずは汚損箇所の写真、張替え範囲、居住年数、単価、数量を確認します。クロス一式とだけ書かれている請求は、必ず面積と単価を出してもらうのが基本です。
フローリング補修費用
フローリング補修費用は、1Kでも金額が読みにくい項目です。小さなへこみや擦り傷なら、リペア補修で1万円から3万円前後に収まることがあります。一方で、深い傷、広範囲の変色、ペットの尿によるシミ、水漏れによる膨れなどがあると、部分張替えや広範囲の工事になり、5万円以上になるケースもあります。床材の種類がクッションフロアなのか、フローリングなのか、フロアタイルなのかでも費用は変わります。
床でよく揉めるのは、家具の設置跡や生活上の細かな擦れまで借主負担として請求されるケースです。椅子を引いた細かな傷、家具の重みによる軽いへこみ、日照による色あせなどは、通常使用の範囲と考えられることがあります。反対に、キャスター付きの椅子で深い傷を多数つけた、重い家具を引きずって表面を削った、飲み物をこぼして床を膨らませた、といった場合は借主負担になりやすいです。
床の請求では、補修で足りるのか、張替えが必要なのかが重要です。全面張替えと書かれている場合は、なぜ部分補修では足りないのかを確認しましょう。
私が相談を受けた1Kの案件では、床に10センチほどの線傷があるだけで床全面張替えの見積もりが出ていたことがありました。確認すると、実際にはリペア業者の補修で対応できる可能性があり、請求額がかなり下がったケースです。もちろん全ての傷が補修で済むわけではありませんが、退去費用の明細に全面施工とある場合は、施工範囲の合理性を見る必要があります。
立会い時には、床の傷を正面からだけでなく斜めからも撮影しておくとよいです。光の当たり方で傷の深さや範囲が分かりやすくなります。入居時からあった傷なら、入居時写真やチェックシートが強い証拠になります。床の原状回復費用は、感覚で争うと平行線になりやすいため、写真、明細、施工範囲の3点をそろえることが大切です。
立会い前の写真確認
退去立会い前の写真確認は、原状回復費用を抑えるというより、不必要なトラブルを防ぐための準備です。立会い当日は荷物の搬出、鍵の返却、担当者との確認で慌ただしくなりがちです。その場で指摘された傷や汚れについて、冷静に判断できないままサインしてしまう方も少なくありません。だからこそ、立会い前に自分で写真を撮っておくことが大切です。
撮影する場所は、玄関、廊下、キッチン、浴室、トイレ、洗面、居室の壁、床、天井、クローゼット、窓まわり、エアコン周辺です。傷や汚れがある部分だけでなく、問題がない部分も撮っておきましょう。後から全面的に汚れていたと言われたときに、部屋全体の状態を示せるからです。スマートフォンで十分ですが、日付が分かる状態で保存しておくと安心です。
立会い前の写真は、近くからの写真と、部屋全体が分かる引きの写真をセットで残すのがおすすめです。傷の存在だけでなく、範囲や位置関係を説明しやすくなります。
現場感として、立会いで揉めやすいのは小さな傷そのものではなく、それが入居前からあったのか、入居中についたのかが分からないケースです。入居時の写真やチェックシートがあれば強いですが、ない場合でも退去時の記録は残しておくべきです。特に管理会社がその場で確認書へのサインを求めてきた場合、内容をよく読まずに署名しないでください。
確認書にサインする場合は、金額確定ではなく傷の確認だけなのか、請求内容への同意まで含むのかを必ず確認しましょう。納得できない項目があるなら、備考欄にその旨を書いておくのも一つの方法です。実務では、あとから交渉するときに、退去当日の写真と書面の残し方がかなり効いてきます。
原状回復費用の相場1Kと減額対策
ここからは、請求額が妥当かどうかを判断するための基準と、納得できない場合の対応方法を解説します。1Kの原状回復費用は数万円単位の話になりやすいですが、明細の見方を間違えると本来負担しなくてよい費用まで払ってしまうことがあります。
国土交通省ガイドライン
原状回復費用を考えるうえで、必ず押さえておきたいのが国土交通省の原状回復に関するガイドラインです。これは法律そのものではありませんが、退去時の費用負担を判断するうえで、実務上とても重要な基準として扱われます。基本的な考え方は、借主が普通に生活していて生じる通常損耗や、時間の経過による経年劣化は貸主負担、借主の故意や過失、通常の使い方を超える損耗は借主負担というものです。
たとえば、家具を置いていた跡、日焼け、壁紙の自然な変色、設備の通常使用による劣化などは、貸主が賃料の中で回収していく性質のものと考えられます。一方で、タバコのヤニ、ペットによる傷や臭い、清掃不足で広がったカビ、引っ越し作業でつけた大きな傷などは、借主負担になりやすいです。
ガイドラインは、退去費用の交渉でよく使われる判断材料です。ただし、契約書の特約や個別事情も関係するため、ガイドラインだけで全てが自動的に決まるわけではありません。
私が実務で感じるのは、管理会社もガイドラインを知らないわけではないものの、現場では契約書の特約や社内の精算ルールを優先して請求書を作ることが多いという点です。そのため、借主側が何も言わなければ、そのまま請求が進むことがあります。逆に、ガイドラインの考え方に沿って冷静に確認すると、見直しに応じてもらえるケースもあります。
交渉で使うときは、感情的に高すぎると伝えるより、通常損耗ではないか、経年劣化を考慮しているか、張替え範囲は妥当か、特約の説明はあったか、という形で具体的に確認するのが効果的です。正確な内容は国土交通省などの公式情報を確認し、判断に迷う場合は消費生活センターや弁護士、宅建士などの専門家に相談してください。
通常損耗と経年劣化

通常損耗と経年劣化を理解すると、1Kの原状回復費用の見方がかなり変わります。通常損耗とは、借主が普通に生活していて自然に発生する傷みのことです。たとえば、冷蔵庫裏の黒ずみ、家具の設置跡、日照によるクロスの変色、生活動線上の軽い床の擦れなどが代表例です。経年劣化は、時間の経過によって建物や設備の価値が下がることを指します。
賃貸では、借主は借りた当時とまったく同じ新品状態に戻す義務を負っているわけではありません。ここを誤解していると、退去時に請求されたものを全部払わないといけないと思い込んでしまいます。原状回復とは、通常使用を超えて傷めた部分を回復する考え方であり、古くなったものを新品にする費用をすべて借主に負担させるものではありません。
原状回復は新品返しではありません。この一文を理解しておくだけで、請求明細を見るときの視点が変わります。
実務では、通常損耗か借主の過失かの境目で揉めることが多いです。たとえばカビは、建物の構造や換気性能が原因なら貸主側の問題に近いですが、結露を知りながら長期間放置し、壁紙や下地まで傷めた場合は借主負担とされる可能性があります。床の傷も、普通の生活でつく細かな擦れと、家具を引きずってできた深い傷では扱いが違います。
管理会社の担当者も、現場で短時間に判断するため、どうしても見た目の印象で指摘しがちです。だからこそ、借主側は入居年数、使い方、傷の原因、写真をもとに説明できるようにしておくとよいです。特に6年近く住んでいる場合、クロスやクッションフロアなどは経年劣化の考慮が重要になります。6年以上住んだ場合の考え方は、賃貸に6年以上住んだ退去費用を抑えるプロの交渉術でも詳しく扱っています。
借主負担になる傷汚れ
借主負担になりやすい傷や汚れは、簡単に言えば普通の暮らし方を超えて発生した損耗です。代表例は、タバコのヤニや臭い、ペットによるひっかき傷や臭い、壁に開けた大きな穴、落書き、飲み物や油汚れの放置、結露や水漏れの放置によるカビ、引っ越し作業でできた深い傷などです。これらは借主の故意、過失、善管注意義務違反と見られやすく、原状回復費用の請求対象になります。
1Kでは、生活スペースと寝る場所、食事をする場所が近いため、汚れが一か所に集中しやすいです。たとえばキッチン横の壁紙に油汚れが強く残る、ベッド周辺の壁に擦れや皮脂汚れがつく、デスクチェアの下の床にキャスター傷がつく、といった相談はよくあります。これらがすべて借主負担になるわけではありませんが、通常の範囲を超えていると判断されると請求されやすいですね。
特にタバコ、ペット、カビ、水漏れ放置は高額化しやすい項目です。表面の清掃だけで済まず、クロス下地や床材まで交換になることがあるためです。
私が見た案件では、1Kで喫煙していた方にクロス全面張替えとエアコン内部洗浄、消臭作業が請求され、総額が10万円を超えたことがありました。喫煙は契約で禁止されていなくても、ヤニ汚れや臭いが通常使用を超えると判断されることがあります。ペット可物件でも同じで、ペット可だからどんな傷や臭いも貸主負担になるわけではありません。
借主負担になるか迷う場合は、まず原因を分けて考えましょう。自然に古くなったのか、普通の生活で避けにくいものか、自分の使い方や放置が原因かです。請求されたら、写真、施工範囲、単価、経過年数を確認してください。支払い義務がある可能性が高い項目でも、全面施工や新品価格での請求が妥当とは限りません。
高額請求の確認ポイント
1Kの原状回復費用で高額請求だと感じたら、まず請求明細を項目ごとに分解して確認します。見るべきポイントは、工事項目、数量、単価、施工範囲、負担割合、消費税、契約特約の有無です。単に原状回復費用一式、退去精算費一式と書かれている場合は、判断材料が足りません。支払う前に、内訳の提示を求めてください。
特に確認したいのは、全面張替えになっていないか、経年劣化が考慮されているか、通常損耗まで借主負担になっていないかです。1Kでは、クロス全面張替え、床全面張替え、ハウスクリーニング、エアコン洗浄が重なると、すぐに8万円から10万円を超えることがあります。その金額がすべて不当とは限りませんが、理由が説明できない請求は見直しの余地があります。
| 確認項目 | 見るポイント | 質問例 |
|---|---|---|
| 施工範囲 | 一部か全面か | 全面張替えが必要な理由は何ですか |
| 単価 | 相場から大きく外れていないか | 単価と数量の内訳を教えてください |
| 負担割合 | 経年劣化を考慮しているか | 居住年数による減価は反映されていますか |
| 特約 | 契約書に明記があるか | 契約書のどの条項に基づく請求ですか |
現場では、管理会社が最初に出す明細は、貸主側の希望や業者見積もりをそのまま反映していることもあります。借主から確認が入って初めて、負担割合を調整したり、施工範囲を見直したりすることもあります。もちろん、正当な請求まで拒否するのはおすすめしませんが、納得できないまま払う必要もありません。
高額請求で一番避けたいのは、感情的なやり取りです。高すぎる、払えない、納得できないだけでは話が進みにくいです。契約書の根拠、写真、ガイドラインの考え方、経年劣化、施工範囲をもとに確認しましょう。退去費用の請求がなかなか来ない場合や、請求時期に不安がある場合は、退去費用の請求が来ない時の対処法も参考になります。
管理会社への交渉方法
管理会社へ交渉するときは、最初から対立姿勢を強めすぎない方がうまくいきます。実務上、管理会社の担当者も貸主、工事業者、社内ルールの間に立っていることが多く、いきなり強い言葉で責めると、防御的な対応になりやすいです。まずは、請求内容を確認したい、内訳を知りたい、負担根拠を確認したい、という形で冷静に連絡するのがおすすめです。
メールで連絡する場合は、物件名、部屋番号、契約者名、退去日、請求書の日付を記載し、確認したい項目を箇条書きにします。電話だけで済ませると、言った言わないになりやすいため、重要なやり取りはメールや書面で残してください。電話で話した場合も、あとから本日の確認内容としてメールを送ると記録になります。
交渉の基本は、支払わないと宣言することではなく、根拠を確認したうえで妥当な範囲を支払う姿勢を示すことです。この方が相手も見直しに応じやすくなります。
実際に使いやすい言い方としては、「請求内容を確認したいので、各項目の単価、数量、施工範囲、借主負担とする根拠を教えてください」「クロス張替えについて、居住年数による経年劣化はどのように考慮されていますか」「通常損耗と思われる部分が含まれているように見えるため、写真と照らし合わせて再確認をお願いします」といった表現です。
私が担当した相談でも、丁寧に根拠確認をしたケースの方が、結果的に減額や再見積もりにつながりやすい印象があります。逆に、最初から違法だ、払わない、と強く言い切ると、管理会社側も弁護士対応や保証会社対応に切り替えることがあります。正確な判断が難しい場合は、消費生活センター、自治体の住宅相談、弁護士、宅建士などに相談してください。費用や法律に関わる判断は、自己判断だけで進めすぎないことが大切です。
宅建士が見る明細

私が宅建士として退去費用の明細を見るときは、まず総額ではなく、項目ごとの性質を分けます。ハウスクリーニング代は特約型の費用、クロスや床の補修は損耗原因と経年劣化を見る費用、鍵交換費用は契約内容や交換理由を見る費用、設備修理は故障原因と耐用年数を見る費用です。全部を退去費用として一括りにすると、判断を誤りやすくなります。
次に見るのは、契約書と重要事項説明書です。退去時クリーニング費用、エアコン清掃費、鍵交換費、畳や襖の張替え費用などが、どのように記載されているかを確認します。金額が明確か、借主が負担する範囲が具体的か、入居時に説明されているかは重要です。特約があるから必ず全額有効、特約がないから絶対に払わなくてよい、という単純な話ではありませんが、判断の出発点になります。
明細を見る順番は、総額、項目、契約根拠、損耗原因、経年劣化、施工範囲です。特に1Kでは、少ない項目でも総額に影響しやすいため、ひとつずつ確認しましょう。
現場のリアルな話をすると、管理会社の請求書には、工事業者の見積もりがそのまま転記されている場合があります。工事としては必要でも、それを借主にどこまで負担させるかは別の判断です。たとえば、クロス全面張替え工事を実施すること自体は貸主の判断としてあり得ます。しかし、借主が汚した一部分を超えて、部屋全体のリフォーム費用まで借主負担にするのは慎重に見る必要があります。
また、退去時の立会い担当者がその場で概算を言うこともありますが、概算と確定請求は分けて考えてください。その場で言われた金額より請求が高い場合は、追加理由を確認しましょう。反対に、立会い時に何も言われなかったのに後から請求が来ることもあります。その場合も、写真や明細を求め、どの損耗に対する請求なのか確認することが大切です。
原状回復費用の相場1Kまとめ
原状回復費用の相場は、1Kなら通常使用の範囲で3万円から6万円前後がひとつの目安です。敷金なし物件では退去後にそのまま請求されやすく、敷金あり物件では敷金から差し引かれるため、同じ金額でも感じ方が違います。ハウスクリーニング代は2万5,000円から4万円前後、エアコン洗浄費は8,000円から1万5,000円前後、クロスや床の補修は範囲によって大きく変わります。
ただし、この記事で紹介した金額はあくまで一般的な目安です。実際の費用は、契約書の特約、居住年数、部屋の状態、地域の施工単価、管理会社の運用によって変わります。大切なのは、相場だけで判断せず、請求明細の中身を確認することです。通常損耗や経年劣化まで借主負担になっていないか、全面張替えの理由はあるか、単価と数量は妥当か、契約書に根拠があるかを見てください。
1Kの原状回復費用は、金額より内訳の確認が重要です。納得できない請求は、支払う前に根拠を確認しましょう。
退去前にできる対策としては、契約書を読み直す、入居時と退去時の写真を残す、退去前に簡単な清掃をする、立会い確認書の内容をよく読む、請求明細を保管することです。これだけでも、不要なトラブルをかなり防げます。特に1Kは金額が数万円単位になりやすいため、少しの確認で負担が変わることがあります。
最後に、退去費用や原状回復費用は財産に関わる大切な問題です。正確な情報は国土交通省や自治体などの公式情報を確認し、契約内容や請求額に不安がある場合は、消費生活センター、弁護士、宅建士などの専門家に相談してください。原状回復費用の相場1Kを知ることは大切ですが、最終的には自分の契約書と部屋の状態に照らして判断することが一番重要です。